【林野庁】来年度概算要求、「森の国・木の街」の実現に向け建築物の木造化・木質化を推進
2026/09/03
農林水産省は8月31日、2027年度予算の概算要求を財務省に提出した。林野庁関係の要求額は前年度当初予算比27.1%増の3956億円となった。新設の「森の国・木の街」創造連携イニシアティブ事業による木造化・木質化の推進や、スマート林業などの新技術の導入支援を柱に据え、補正予算との一体化を図る体制を整えている。
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1.上限を設けない成長投資枠などを有効活用
2.「森の国・木の街」創造連携イニシアティブ事業を新設
3.成長産業化と保全対策の一体的推進
4.スマート技術導入支援と木材利用需要開拓事業の予算獲得は
上限を設けない
成長投資枠などを有効活用
一般会計の要求総額は4年連続で過去最大を更新
財務省が取りまとめた2027年度予算の概算要求において、国の一般会計要求総額は143兆円前後に達し過去最大を更新した。政府は補正予算に依存した従来の編成方針を改め、恒常的な施策は原則として当初予算に含める一体的な編成へ転換している。
こうした中で林野庁関係予算の概算要求額は、2026年度当初予算と比較して27.1%増となる3956億円を計上した。また、上限を設けない成長投資枠などを有効活用する一方、現時点で金額を示さない「事項要求」も盛り込まれた。具体的には、災害復旧や治山事業、森林整備などの機動的な対応を必要とする施策について事項要求として位置づけている。
補正予算の一体化と事項要求の活用により、林業の基盤強化に向けた積極的な予算確保を目指す構えである。年末の予算査定に向け、実効性のある財源の確保が試される。
「森の国・木の街」創造連携
イニシアティブ事業を新設
「森の国・木の街」創造連携イニシアティブ事業で建築物の木造化・木質化を推進
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林野庁の概算要求では、都市部をはじめとする木材利用の推進と先端技術の導入に向けた施策が大きな柱に据えられた。新設する「森の国・木の街」創造連携イニシアティブ事業においては、建築物の木造化・木質化の推進や、多様な事業者間における連携構築の支援を強化する方針を示している。非住宅や中高層建築物での国産材利用を強力に後押しし、需要開拓と地域材の供給体制強化を一体で進める構えである。
また、「スマート林業等新技術推進総合対策」を盛り込み、デジタル技術や先端機器を活用した林業生産性の向上を目指している。ICTを活用した森林情報の管理・解析や、遠隔操作・自動化が可能な先進的林業機械の導入実証、現場における普及展開を支援する。技術革新を通じた生産体制の高度化とコスト低減を同時に達成するアプローチを明示している。
成長産業化と
保全対策の一体的推進
森林資源の循環利用と安全な地域づくりに向けても総合的な施策が提示された。森林循環利用・付加価値創出対策では、再造林の確実な実施と素材生産の効率化、主伐後の原木流通の適正化を促進する。需要に応じた高品質な木材の供給体制を整え、林業経営の安定化を図る。
同時に「森と木の人材育成・確保総合対策」により、新規就業者などの確保やキャリアアップの支援、安全衛生対策の徹底を推進する。安全で魅力ある労働環境の整備を通じ、現場を支える担い手の育成を目指す。
さらに、社会的課題である花粉症解決に向けた総合対策を継続し、スギ人工林の伐採・植え替えの加速や花粉の少ない苗木の生産拡大を求める。森林の総合保全対策として、防災・減災機能を高める治山事業の推進や適切な森林管理を通じた国土保全機能を強化する方針である。
スマート技術導入支援と
木材利用需要開拓事業の予算獲得は
スマート林業等新技術推進総合対策で林業生産性の向上を目指す
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2027年度予算編成における最大の焦点は、増額要求された重点施策および事項要求項目が財務省査定においてどこまで満額確保されるかにある。補正予算との一体化により当初予算の規模が拡大する中で、現場の事業者が安定的な事業見通しを立てられる仕組みを構築することが重要となる。
特に、スマート技術の導入支援や木材利用の需要開拓事業は、設備投資や事業展開を検討する民間事業者や森林組合にとって直接的な影響を持つ。年末に向けて進められる予算編成の動きを注視するとともに、獲得された予算が迅速に現場へ反映される執行体制の構築が求められる。森林資源の循環利用確立と林業の持続的な成長を実現するため、施策のスピード感を持った推進が今後の大きな課題となる。
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取材・文/フォレストジャーナル編集部















