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年間素材生産量が2倍に! 作業効率を格段にアップさせた最新機械って?

茨城県常陸大宮市の美和木材協同組合は、機械化を積極的に進めて生産効率を高めるとともに、安全で働きやすい職場づくりにも力を入れる。最新機械を活用して作業を効率化し、労働環境を改善して「長く働ける職場」作りを目指す、組合の取り組みをクローズアップした。

年間生産量が5年で倍増

美和木材協同組合は1963年に地元の製材業者12社により、国有林の原木の共同購入を目的に設立された。その2年後には素材生産作業も請け負い始め、さらに造林事業にも参入。国有林をメインフィールドに、山林作業全般を手掛ける林業事業体として発展してきた。最近は民有林の仕事も増えて全体の半数ほどを占めるようになり、特殊伐採やおが粉生産も事業化し、地域林業の主要な担い手としてのポジションを築いている。

組合では1990年代から、労働強度を軽減して安全性を高め、作業効率をアップすることを目的に現場作業の機械化に力を入れてきた。素材生産作業は車両系システムを採用。一般的な作業工程は、フェラーバンチャザウルスロボによる支障木の伐倒と作業道作設からスタートし、ロングリーチグラップルやハーベスタを駆使した木寄せと造材、フォワーダによる搬出――と遅滞なく展開される。

年間素材生産量は4、5年前までは15000m³ほどだったが、現在は30000m³に倍増している。

機械化の促進は若手の確保にもつながっており、「機械を入れたことで若い人が集まるようになった」と大森豊専務理事は目を細める。従業員35名の平均年齢は40歳と全国平均の52.4歳(2015年国勢調査)を大幅に下回っている。

働き手にやさしい機械

素材生産能力が高まる中で、組合がさらにテコ入れを図ったのが、現場から搬出された原木の運搬の効率化だ。1年程前に最新式のグラップルローダーを導入、積み込みや荷下ろしの能率をアップさせるとともに、労働環境の改善という面でも効果を上げている。

採用したのは、オーストリアの有力クレーンメーカーであるパルフィンガー社の製品。レバーやペダルを油圧パイロット制御としたことで操作性が飛躍的に向上しているほか、広くてクッション性の高いトップシートによって、作業を快適にこなすことができるようになっている。

皆川昭夫さん:「身体が全然楽になりました。レバーは指先ひとつで動くくらい軽いし、ひじ掛けに腕を置いた状態の手元にあるので、前かがみにならなくて済みます。クッションは柔らかいし、ヒーターも入るから冬でも暖かい。これに乗る前はいつも腰が痛かったんですが、今はお尻や背中がとても快適です。もちろん、その分、効率もアップしてますよ。」

油圧ホースが格納されていて、露出していないのもセールスポイントのひとつだ。

皆川昭夫さん:「丸太をつかみに行くときに引っかけたり、ぶつけたりする心配がまったくないので安心して作業できます。」

域を支える存在に

組合が拠点を置く茨城県北西部は、いわゆる八溝林業地の一角を占め、質の高いスギやヒノキを産出する関東地方有数の林業地として知られる。

以前は運送業に従事し、組合に転職して3年が経つという皆川さんは「社会保険や福利厚生が充実していて、退職金制度もある。地元にこんな職場があるんだと、びっくりしました。長く働ける職場だと思います」と話す。

地域の基幹産業である林業の担い手として木材生産や山づくりを担い、雇用の受け皿にもなっている組合の存在は大きい。

トップシートの快適さ


広めでクッションの効いたシートは座り心地抜群。冬はヒーターで快適。レバーは操作しやすい位置にあり、指先で動かせるくらい軽い。

お話を聞いた方

美和木材協同組合

専務理事 大森豊さん(左)、皆川昭夫さん(右)


従業員35名の平均年齢は40歳。素材生産や造林作業に加え、特殊伐採やおが粉生産も行う。また、安全確保を最重要課題とし、毎月安全衛生委員会と安全懇談会を開催して、注意を要する事項の確認やヒヤリハットの発表などを行い、安全意識の向上に努めている。

お問い合わせ

日本パルフィンガー株式会社

TEL:045-594-9550


写真/松尾夏樹(大川直人写真事務所)
文/赤堀楠雄

FOREST JOURNAL vol.2(2019年冬号)より転載

Sponsored by 日本パルフィンガー株式会社

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