徳島県がSDGs債で50億円調達! 森林・林道の整備に活用へ
2023/09/01
徳島県は森林や林道整備などに活用することを目的としたサステナビリティーボンド「徳島県SDGs債」を発行すると発表した。法人投資家向けに発行し、10年債で50億円を調達する。
メイン画像:徳島県庁
森林の荒廃を抑止
基盤整備を推進
森林の基盤整備に活用(出典:徳島県)
サステナビリティーボンド(サステナ債)とは?
サステナビリティーボンド(サステナ債)は、環境や社会の課題解決につながる事業に使途を限定する債権。
参照:サステナビリティボンドとは/グリーンファイナンスポータル(環境省)
『徳島県SDGs債』は、集まった資金を環境問題の解決を目指す「グリーンプロジェクト」と、社会課題の解決を目指す「ソーシャルプロジェクト」の双方に充てる。
10年満期の一括償還で発行総額は50億円。購入対象は、法人投資家向けを想定している。主幹事証券会社は、三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社、大和証券株式会社、野村證券株式会社。都道府県でサステナ債を発行するのは埼玉(埼玉県ESG債)に次いで2例目。
徳島県内でも所有者がわからなくなり、荒廃が進む山林が増えているという。所有者や境界がはっきりしないと、間伐ができないうえに林業の集約も進まない。
国土交通省は、2050年までに新たに最大47万haの森林の所有者が不明になると試算する。これは、国内の森林面積の1.9%にあたる。
徳島県では、社会課題の解決を目指す「グリーンプロジェクト」として、森林・林道の整備や河川改修を通じた水害対策、太陽光発電を活用した県の庁舎や警察署などの県有施設の省エネ化などを想定している。「ソーシャルプロジェクト」では特別支援学校の施設整備、県有施設の老朽化や防災対策、道路のバリアフリー化などに取り組む。
後藤田知事
「環境政策を推進」
8月4日の記者会見で後藤田正純知事は「世界でカーボンニュートラル、脱炭素という流れは、この酷暑や豪雨災害を見ても待ったなしだと感じている。森林の基盤整備をはじめとする環境政策を推進するとともに、福祉や教育などの課題解決にも取り組み、県民意識の向上につながることを期待している」と述べた。
DATA
文/編集部