【徹底解説】「そもそも”木質バイオマス”ってナニ?」後編:種類や活用状況、課題とは
2023/01/11
林業界の期待の星「木質バイオマス」。でも説明するのは難しい...。そんなあなたに、「4つの種類」や最新の利活用状況、今後の課題を徹底解説! 新しい木材・森林資源活用のキーワードをマスターしよう。
「木質バイオマス」
どんな種類があるの?
木質バイオマスの種類はおもに「林地残材」「製材工場等残材」「建設発生木材」の3つに分類できる。
製材工場等から発生する背板、のこ屑、樹皮などの残材。年間約850万㎥発生し、約95%が製紙原料、燃料用、家畜敷料等として利用されている。
建設現場や住宅などを解体する時に発生する木材。年間約1,000万㎥発生し、そのうち約90%が燃料用や製紙原料、木質ボード原料などに用いられる。
そのうち、製材工場等残材と建設発生木材の活用は、紙パルプ、家畜敷料などの原料として十分に進んでいるが、問題なのは推定年間約2,000万㎥も発生する林地残材。
間伐や主伐により伐採された木材のうち、製材等に利用できない間伐材や木の根元、枝条等など、未利用のまま林地に残されている木材。年間約2,000万㎥発生。
林地残材は、森林内に広く分散していて、かつ、かさばるため、運搬の困難さやコスト面から利用が難しいのが現状だ。最近の森林の伐採量の増加により、未利用材の発生量が増えている地域もある。
そこで、未利用間伐材など林地残材を使用した発電について国が安定した電気の買取価格を保証する、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)が2012年に施行。未利用間伐材等の木質バイオマスエネルギーとしての利用促進を行っている。
さらにもう1つ加わるのが災害被災木。近年、頻発する大規模自然災害で増えており、エネルギーやマテリアルとして利活用が求められている。
自然災害で発生する倒木や流木、家屋の解体ごみなどの大量の廃棄物。費用をかけて焼却処分されていたが、処理方法によってはエネルギー燃料やマテリアルとして利用できる。
文:後藤あや子