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作業コスト計算、やるか、やらないか、それが問題だ。黒字化へ導く林業経営のリアル【次世代林業Lab】

林業における作業コスト計算は必要なのか。コスト計算の難しさや、工程ごとのコストを把握することで見えてくることについて考える。経営支援のプロ・楢崎達也の連載コラム「次世代林業Lab」。

作業コスト計算は
とんでも無く面倒なので
あきらめちゃおうかな

何を隠そう、僕は数学と理科は落ちこぼれていました! 特に、進学した高校が好きではなかったこともあり、さらにやる気減退。

そんなわけで、第二次ベビーブーム期生まれの僕は日本の大学への進学はさっさと諦めたのであった〜(笑)。

そのあと、何を間違ったのか海外の大学の工学系に進んでしまい、苦手意識の数学(しかも微分積分だよ〜)と物理(しかも流体力学ベルヌーイの定理だよ〜)をやらされる羽目になったのである(泣)。

コスト計算はツラいね。兵庫県立森林大学校での講義の様子。

最近、施業プランナー向け研修の講師で作業コスト計算を担当させてもらうことが多いのです。

売上額、作業単価、作業量、作業日数、消耗品代の計算など、1ヘクタールを主伐・間伐した際のコスト計算演習は短くて3時間ぐらいかかります。僕も落第した脳みそをぐるぐるとフル回転。

でも、最近の傾向として、研修生や林業改良普及員の方から「ムズカシすぎる〜!」と非難轟轟。

そのため、「教えても難しすぎて誰もついてこられないのであれば、作業コスト計算講義は無くした方がよいのでは?」と言う議論もでています。

僕はどうしたら良いのでしょうか〜?

商慣習の一般常識的には、施業プランナーは、原木売上、作業コスト、補助金等を計算して、「森林管理サービス」を提供する森林所有者に対して、何らかの見積もりを出すべきだと思っています(林業界の常識としては出さない場合が多い)。そのため、業務収支の計算はスキルとして持つべきだと思っています。

コスト計算は足し算、引き算、掛け算、割り算なので、完全に小学校レベルの計算。

まあ、小学生知識をフル回転させればなんとかなるのですが、オジンになった僕らは、そんな遠い昔に習ったことなど、悲しいことに思い出せないですよね。

で、特にコスト計算を難しくしているのは、計算式じゃなくて、式を作るまでの林業専門知識が求められる「計算理論構築」です。これが実際、なかなか難しい。

まあ、コスト計算をやらなくても良いですが、そもそも作業工程ごとのコスト計算ができるようになるとどんなメリットがあるのでしょうか。

次のようなことが見えるようになります。

①何人日で終わる現場なのか、②何人日で終わらせれば黒字/赤字になるのか、③どの工程に特に費用がかかっているのか、④どの工程を工夫すると低コスト化できるのか等が具体的な金額として見えるようになります。⑤行き当たりばったりの作業でなくて、効率化のための事前作戦も立てられるようになります。

作業コスト計算、やるか、やらないか、それが効率化・スマート化のためには重大な根本的問題ということは明らかなのですが、計算が難しいんですよ〜。

「林業で成功したい!」と思っている方はコスト計算は、もちろんやった方が良いですが、今の給料で十分満足、毎日働ける場さえあれば満足と思っている方には強制まではできないかな〜。

コストを考えずに作業する方が追われなくて気持ち的にも楽だし、「儲かるかな〜、どうなるかなぁ〜?」と思いながら、ギャンブル的なスリルを楽しみながら(笑)、作業するのも面白いのかもしれませんね。

このあたりは、林業事業体ごとの経営の考え方次第になってきますね。皆さんにもぜひ考えてみてほしいです。

9/16〜18のフォレストライズ2026(第5回次世代森林産業展)にブースを出していますので、ダベリにきてくださ〜い。

CHECK!


9月16日(水)から東京ビッグサイトで開催される
「第5回FORESTRISE」の基調公園に講師として登壇!


『森林経営管理制度の実行にあたり市町村がまず作るべきは、毎年の実行予算目標と手順』

「職員の異動があり情報が途絶える、年度ごとの事業予算を組まないといけないが難しい、毎年の実行に際し戸惑う等、森林経営管理制度を実施するにあたり市町村ならではの悩みがありますね。三重県等で採用されている、それらの悩みを解決する考え方を解説します」
9月17日(木) 13:00~15:00
会場:F1-4


『シン・リンギョウ漫談 事業体経営を意識して「スマートに林業」しようぜ!』

「FOREST JOURNALの連載コラム「林業LAB」でお馴染みの楢崎達也さん。23年間にわたる林業・木材業界の支援業務に従事。林業の悩みは実は組織・人の悩み。フォレストジャーナルのコラムの内容を取り上げて、お悩み漫談します」
9月18日(金) 13:30~15:00
会場:F2-8


<概要>
日時:2026年9月16日(水)~ 18日(金) 10:00~17:00
場所:東京ビッグサイト 東2ホール
主催:産経新聞社

詳細はこちら!

 

PROFILE

FOREST MEDIA WORKS Inc.
CEO

楢崎達也


カナダで森林工学を学んだ後、京都大学大学院を経て、大手銀行系シンクタンクにて森林・林業部門、大手林業会社S社の山林部門勤務。現在、FOREST MEDIAWORKS Inc.にて、森林組合の経営改善支援、人材育成カリキュラム作成・運営、森林経営管理制度実施支援、林業×メディア融合、ITソリューションの現場サイドからの設計をしている。次世代森林産業展2026プロデューサー。


FOREST JOURNAL vol.29(2026年秋号)より転載

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