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[チェンソーQ&A]どこで買うの? バッテリー・エンジン・コード式の違いは?

林業の現場で働く人々の相棒ともいえる道具のひとつがチェンソー。はじめて購入する時のポイントと、長く安全に使うためのメンテナンスを、チェンソーの販売から修理までを長年手掛ける廣田靖典氏に伺った。

メイン画像:米国のソーチェンメーカー・OREGONの東日本初となるショップ、OREGON SHOP YOKOHAMA。

ホームセンターやネットでもいい?

安全のために、色々質問できる販売店を味方に!
僕自身の修理工としての経験から、チェンソーは世界一危ない手持ち工具と実感しています。ネットでは色々な情報があふれていますが、間違った情報もたくさんあります。安全に長く使うためには、信頼できるチェンソー専門店で購入するのが結果的にコスパも良くなります。口コミなどを参考に、自分の足で“気の合う”販売店を探してみてください。こうした優良な販売店が増えることは、国内林業界のスキルアップにもつながるはずです。


オレゴン製のほか、ハスクバーナやマキタなどのチェンソー本体、部品、ウエアが揃う。

バッテリー式、エンジン式、
コード式の違いとは?

用途によって動力選択を。バッテリー式も需要増、そのわけは…
プロ向けはガソリンを使用した、長時間使えてパワフルなエンジン式がほとんど。バッテリー式は騒音が少ないのがメリットで住宅地の樹木の管理に、家庭用の電源につなぐコード式は、DIY作業などで使われるのが一般的です。最近は、世界中で行われている排ガス規制により、プロ向けのバッテリー式チェンソーが国内外のメーカーから登場していて、パワフルさも増しています。



プロが最初に購入するエンジン式
チェンソーはどんな感じ?

排気量35~40ccクラス・ガイドバー40cmがおすすめです。
販売店で実際に持ってみるのもいいですね。排気量を選ぶ目安は、プロ用の中型機やDIY用のハイエンド機は35~44cc、プロ用は44cc以上。ガイドバーはチェンソーのパワーとサイズが小型の場合は20・25cm、中型30・35・40cm、大型45cm以上。


左:廣田さんがこよなく愛する、STIHL社のMS462C-Mライトバー 63cm。「すべての技術が集結したキャブレターエンジンの最高峰!」
右:身長177cmの廣田さんが実際に手に持った、35~40ccクラス・ガイドバー40cmのチェンソー。重さは5㎏ほど。

 

■点検のタイミングは?

日常メンテ+稼働ピーク前後に!
 
毎日の手入れを行う前提であれば、秋から冬、春にかけての伐採シーズン前後に年1回のメンテナンスをおすすめしています。用途にあわせて5~6台のチェンソーを所有し、部品を交換しながら本体を20年近く使うというのが理想です。

 

■修理依頼はどんなケースが多い?

混合燃料の劣化によるトラブルが多いです。

混合燃料は夏場は2週間、冬場は1ヶ月で使い切るようにすること。使い切れず放置しておくと、排気ガスがより多く発生し、悪臭もひどくなります。純正オイルを使うことも大切です。いちばん最悪といえるのが、チェンソーの“野ざらし”。雨が原因でサビが発生し、メンテナンスを定期的に行っていてもエンジンがかからないケースが度々あります。チェンソーは仕事の相棒。大事に取り扱いましょう。

 


教えてくれた人

GME株式会社代表取締役/
OREGON SHOP YOKOHAMA

廣田靖典さん


中古車やレンタル機器、小型機械などの修理工として腕を磨く中、チェンソーの機能美に魅了される。STIHL社の日本国内販売店の立ち上げに携わるなど、チェンソーの販売から修理までを手掛け、10年ほど前に独立。“世界で一番愛されるチェンソーショップ”を目指し、世界各地のチェンソーショップに勉強しに回る。大学でチェンソーの指導や初心者向けの個別講座も行っている。
HP:www.gme.center


取材・文:後藤あや子
写真:村岡栄治

FOREST JOURNAL vol.15(2023年春号)より転載

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