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CO2の吸収量を売買!持続可能な「J-クレジット森林管理プロジェクト」をもっと知ろう!

森林のCO2吸収量を取引できる形にした「J-クレジット」。カーボンニュートラルを目指す流れが強まる中、森林管理プロジェクトによる取り組みが急増している。改めて、J-クレジット制度とは何か、森林組合が取り組むメリットとは何かについて解説する。

<目次>
1.森林組合がJ-クレジットを登録するメリット
2.「森林経営計画」に基づいた管理が条件
3.将来も管理を続ける「永続性」がポイント
4.要件見直しで森林経営活動プロジェクトが急増中!
5.これから注目の「再造林活動」とは?


森林組合がJ-クレジットを
登録するメリット


そもそも、「J-クレジット」とは、森林の適切な管理などによる二酸化炭素(CO2)の吸収量を売買できる形に変えたもの。J-クレジットを創出すると、クレジットの売却による収入を得ることができる。つまり、J-クレジットの収益を新たな森林管理活動の原資とすることで、持続可能な森林管理に役立つということだ。また、クレジット登録の対象期間は16年間と長期にわたるので、活動を続ければ定期的な収入を得ることが可能になる。

「森林経営計画」に基づいた
管理が条件


J-クレジットの森林管理プロジェクトは、「森林経営活動」「植林活動」「再造林活動」の3つ。森林経営活動と植林活動では、対象となる森林について「森林経営計画」を立てて、将来にわたって森林管理を続けていくことが要件だ。森林経営計画に基づいて、毎年、計画書や伐採届、造林届などを提出することが求められる。もっとも登録数が多いプロジェクトは森林経営活動で99件(2023年11月末時点)。この1年あまりで登録数が倍増している。
 

将来も管理を続ける
「永続性」がポイント


森林管理プロジェクトでは、対象の森林が将来にわたって適切に管理されるかどうかが重視される。このように、森林管理プロジェクトでは、将来にわたる「永続性」が重視される。そのため、プロジェクトの認証期間である8~16年間が満了した後10年間、最長26年間にわたって森林経営計画を継続することが必要になる。
 



 

要件見直しで
森林経営活動プロジェクトが急増中!

国は今、2050年までにCO2の排出量と吸収量をイコールにする「カーボンニュートラル」に向けてさまざまな取り組みを行っている。その一環として、2022年8月、J-クレジットの森林管理プロジェクトの要件が見直された。企業が森林管理プロジェクトによるクレジットを活用しやすくするほか、認証対象期間を8年間から最大16年間に延長した。これによって、利⽤期を迎えた森林を「伐って、使って、植える」という循環システムを確⽴しやすくなり、近年、森林経営活動プロジェクトに取り組む事業者が増えている。

 

これから注目の
「再造林活動」とは?

前述の見直しと同時に新設されたのが「再造林活動」という方法論だ。これは、土地の所有者によって立木がないままになっている林地で、第三者が再造林する活動が対象となる。他の2プロジェクトと違って、森林経営計画を策定しなくてもいい。従来の方法論では、再造林によるCO2吸収量がされにくかったが、「再造林活動」が新設されたことで、造林未済地における再造林が推進されると期待されている。2023年3月には、宮崎県の耳川広域森林組合が全国で初めてプロジェクト登録を行った。


 



 


取材・文:山下幸恵(office SOTO)

FOREST JOURNAL vol.19(2024年春号)より転載

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