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林業×クリエイターで国産材を活用! 非住宅分野の木材利用を促進する「もりまちドア」とは?

全国木材組合連合会と、空間総合プロデュース企業・乃村工藝社が連携するプロジェクト「もりまちドア」のウェブサイトが今年3月に公開された。森林事業者の「もり側」と、クリエイターの「まち側」がタッグを組み、未来の日本の林業をデザインしていく。

非住宅分野で
国産材の活用法を見出す

2020年10月にスタートした「もりまちドア」は、全国木材組合連合会(会長:鈴木和雄)と乃村工藝社が森を育む空間デザインを共同創造していくプロジェクト。その背景にあるのは、“非住宅分野”の木材利用の促進だ。現代、木材需要は建築用が大きなウェイトを占めているが、今後は人口の減少による住宅需要の減少が予測されている。

そこで新たな可能性を見出したのが、今まで木材があまり使われていなかった専門店やオフィス、商業施設の内装などの需要である。1892年創業の乃村工藝社は、ホテルからワークプレイス、博覧会、博物館などのさまざまな空間の総合プロデュースを行ってきたディスプレイデザイン会社。これまでのノウハウを活かし、非住宅分野の国産材利用の促進を行っていく。



森の美しいビジュアルと
含蓄のある「もり側」の人の声

今年3月に公開されたウェブサイトは、昨年から行われてきた「もりまちドア」事業の成果を一般に公開し、共同創造をさらに具現化するための情報発信ツールとして開設された。

なかでも印象に残るのは、「もり側」の林業・木材産業事業者を、「まち側」の空間クリエイター(デザイナー、プランナー、施主)が訪ねる「もりまち産地体験会」の動画の紹介だ。東京都多摩産材、三重県尾鷲ヒノキ、埼玉県飯能市西川材の歴史ある林業地で行われた体験会の様子が、森の美しいビジュアルとともに5~6分間の短い時間で映し出されている。

「(森には)素材やストーリーはあるけどデザインが足りない。デザインがないと木を買ってもらえない」

「デザイナーさんが(木材を)使うと決めたその瞬間に森が育っている、というくらい(もり側)と「まち側」」が直結している」

「(天保時代に植林された木を見て)時代を超えた人と会話しているような気がして。これが林業の魅力のひとつ」

そんな森林業者や原木市場、製材所などの「もり側」の人々の声も新鮮で、まち側の人々に気づきとアイディアを与えてくれる。



デザインが
もりとまちをつなげる。

ほかにも、「もりまちドア」のウェブサイトには、もり側・まち側の双方の木材利用に関する声を拾い上げたアンケートやインタビュー、調査から分かった新しい木材活用のヒントなどを紹介。林業を知らない人も楽しめる見応えのある内容だ。

現在、人工林(スギ、ヒノキ等)の約半数が木材として使い時に当たる50年生前後の木にあたり、まさに伐採期を迎えている。「伐って、使って、植えて、育てる」ことが次世代の森づくりにつながるが、「使う」はまち側のクリエイターたちの力が不可欠。クリエイターたちは森を循環させる役割を持っている。そんな視点からあらためて日本の林業について考えてみたい。
 

DATA

もりまちドア
一般社団法人 全国木材組合連合会
株式会社乃村工藝社

問い合わせ

もりまちドア


文:後藤あや子

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