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【グッドデザイン賞】広葉樹小径木の”期待の星”「森のじゅうたん」の魅力とは一体?

全国でも珍しい広葉樹を専門で扱う製材会社カネモク(岐阜・高山市)。飛騨高山産の種類豊富な広葉樹・小径木を活かしたフローリング材「森のじゅうたん」を開発。小径木の新たな可能性を見出した。

 

産地証明付きで安心・安全の
国産広葉樹フローリング材


1954年創業のカネモクは、鉄道枕木の製材工場として開業し、その後、大手家具メーカーの下請けをメインとした家具用製材工場を営んできた。現在は、原木仕入から、製材、自然乾燥、人工乾燥、木取りまで一貫生産できる強みを活かし、飛騨高山の原木を木材に加工した「板販売」などの新規事業にも取り組んでいる。

そのひとつが、2021年度のグッドデザイン賞に輝いた、国産広葉樹小径木のフローリング材「森のじゅうたん」だ。

長年、広葉樹を取り扱ってきた独自の乾燥技術を活かし、施工後の木の動きを最小限に抑える技術を開発。含水率8%という厳しい基準をクリアし、床暖房にも対応できる。

もうひとつの大きな特徴は、安心と安全性。岐阜県産を中心とした産地証明付きの原木を仕入れ、製材から加工まで自社工場で生産する材木を使用。加工する工程で必要となる蒸気の清缶剤には、食品加工用を使用するという徹底ぶりだ。



飛騨高山ならでは、
豊富な広葉樹を有効活用

もともと「森のじゅうたん」は単一樹種による、店舗のフローリング材として発売したが、樹種によっては大きなロット対応ができない場合がある。

そこで飛騨高山ならではの種類豊富な広葉樹を活用し、さまざまな樹種を使ったフローリングを提案している。こうすることで、商品のコンセプトである“山の現状に合わせたモノづくり”が可能となり、同時に地元の広葉樹の活躍の場を広げることができる。


さまざまな樹種の組み合わせも可能。

取り扱い主要樹木は、クルミ、カバ、クリ、トチ、ブナ、ナラ、ミズメ、ヤマザクラなど8種類。ほかにも、ヤマナシ、ケンポナシといった市場にあまり出ない木も取り扱う。将来的には自宅の庭木や山の木など「思い入れのある原木」も相談に応じてくれるという。

 

広葉樹小径木に
付加価値をつける

近年、国産広葉樹材の注目が集まっているが、そもそも広葉樹は、樹種によって形状が異なり、節や曲がりもあることから、スギやヒノキといった針葉樹と比べ、同じ規格の木材を安定的して生産するのが難しいと言われてきた。なかでも広葉樹の小径木は、文字通り幹が細くて加工しにくく、現状ではそのほとんどがチップや薪といった燃料として使われている。

しかし、言い換えれば、“可能性を秘めた素材”ともいえる。加工の困難さも、培った技術と人の熱意があれば、燃料以外の有効活用の場は広がる。日本の山には未使用の広葉樹がまだまだ残っている。「森のじゅうたん」は、広葉樹小径木の新しい活路を見出した“期待の星”だ。

 

DATA

株式会社カネモク

文/後藤あや子




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