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「山男のガチャ」って知ってる? 林業と地域を救う、夢と希望がつまった注目のオモチャ

林業に携わる人々を支えるガチャガチャ、ウッドデザイン賞を受賞! 『1本まるごと販売』を続ける東京チェンソーズがつくるのは、木と人の温もりを感じる林業会社の夢と希望がつまったオモチャだ。

 

「山男のガチャ」なる
異色のプロダクトとは

「なにが出てくるかわからない」というワクワク感があり、幅広い層から人気を集めているガチャガチャ。2020年の夏、東京・檜原村を拠点とする「東京チェンソーズ」が、「山男のガチャ」なる異色のプロダクトをリリースした。

「山男のガチャ」は、ガチャガチャならではの魅力を備えるいっぽう、木1本当たりの価値の向上、林業経営の安定化といった意義深い目的をはらんだプロダクトだ。

「山男のガチャ」でゲットできるグッズは、小さなバードコールやぶんぶんごまなど。いずれも、市場では規格外の素材にあたる根株や枝などで作られている。

こうした規格外の素材を活用した「山男のガチャ」が生まれた背景には、「東京チェンソーズ」による「1本まるごと販売」という取り組みがある。


無垢材の手触りが楽しめるガチャには開封後のお楽しみシークレット品も

多くの木材産業の現場では、伐採した木の約75%が廃棄されている。規格品である丸太を作るために林業現場で木全体の半分が削られ、製材所で板や柱を作る際、丸太の半分がさらに削られるからだ。

製造の過程で削り落とされる根株や枝なども、商材として活用するのが「1本まるごと販売」。「1本まるごと」を利益につなげることで、木1本の価値が上がり、林業に従事する人々の働く環境もより良いものになる。それが、「東京チェンソーズ」が見込んだ未来だ。

また、「山男のガチャ」には、シルバー世代のマンパワーが活かされている。木材の皮むきやカットなどは地域のシルバー世代が行っており、現状、1人当たり月2〜3万円の報酬を得ることもできている。「山男のガチャ」という新規事業を通し、地域に雇用が生まれつつあるといえる。


木の枝の皮むき等は村のシルバー世代に手伝ってもらっている。

林野庁が進める第7回「ウッドデザイン賞 2021」のハートフルデザイン部門で、「山男のガチャ」が優秀賞を受賞。「木を使って人の心を豊かにし、身体を健やかにしているもの」と評価された。

「山男のガチャ」は、秀逸なアイディアだけでなく、温もりも感じられる心にくいプロダクト。すでに檜原村周辺で、お土産として人気を集めている。



ウッドデザイン賞とは?

「ウッドデザイン賞」とは、木の良さや価値を再発見させるモノ・コトについて、特に優れたものを表彰する顕彰制度だ。林野庁が補助しており、“木のある豊かな暮らし”の普及・発展、国産木材利用の推進を目指している。

 




文:緒方佳子

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