「ウッドデザイン賞2021」最優秀賞は!? 隈研吾氏が会長の日本ウッドデザイン協会も新設
2021/12/23
「ウッドデザイン賞2021」の最終審査結果が11月24日に発表された。受賞作品191点の中から、栄えある最優秀賞に選ばれた1点の作品とは? 優秀賞、奨励賞に選ばれた24点も必見だ。
ウッドデザイン賞
受賞までの流れって?
「ウッドデザイン賞」とは、木の良さや価値を再発見させるモノ・コトについて、特に優れたものを表彰する顕彰制度だ。書類による第一次審査・審査委員長の赤池学氏による第二次審査を通過した作品には、「ウッドデザイン賞」が付与される。今回は、191点の受賞作品が10月に発表された。
さらに最終審査を経て、最優秀賞(農林水産大臣賞)、優秀賞(林野庁長官賞)、奨励賞(審査委員長賞)が選出・表彰される。以下の三つの表彰部門で、25点の多様な作品が選ばれた。
●ライフスタイルデザイン部門:木を使って機能性や利便性を高めている、新しい領域で木の活用が提案されている、消費者に木のある豊かな暮らしを提案している作品
●ハートフルデザイン部門:木を使って快適性を高める、五感や感性に働きかける、リラックス効果や健康増進効果がある、作り手や担い手のストーリーを伝えている作品
●ソーシャルデザイン部門:木を使って森林や地域の活性化に貢献している、持続可能な森林利用の仕組みをつくる、木材利用の意味を啓発したり、人材を育成している作品
気になる
今年の最優秀賞は!?
株式会社 金丸工務店(香川県) /瀬戸内ビレッジ株式会社 (香川県)
栄えある最優秀賞を受賞したのは、香川県の「URASHIMA VILLAGE」(ソーシャルデザイン部門)。
讃岐の山々と瀬戸内海が共存する全3棟の一棟貸し宿泊施設だ。施設内各所に地域産の木材を使用している。社員研修や新たなワーケーションの場としても活用されており、エリア内外の人々の交流のハブ施設・地域の宿泊施設のハブとして活躍する。
このように利用者・地域の活性をもたらしている点や、多様なステークホルダーの参画、観光やワーケーションとの連動、環境への配慮などあらゆる点で優れた作品であることが評価された。
浦島伝説にちなんだ亀甲デザインが施設の各所に使われていたり、古くから使われる焼杉文化を取り入れていたりと、ここを訪れた人々の記憶に残るストーリー性を兼ね備えているのも魅力だ。
優秀賞・奨励賞
受賞作品の一部をご紹介!
【 優秀賞/ライフスタイルデザイン部門 】
株式会社タクマ(兵庫県) / 株式会社竹中工務店 (大阪府) / 株式会社銘建工業 (岡山県) / 株式会社ストローグ (富山県)
有限会社大橋量器(岐阜県) / 南地秀哉 (千葉県)
【優秀賞/ハートフルデザイン部門】
株式会社東京チェンソーズ(東京都)
各務原学びの森株式会社(岐阜県) / 株式会社井上工務店 (岐阜県) / 飛騨五木株式会社 (岐阜県) / 株式会社TAB (岐阜県)
【優秀賞/ソーシャルデザイン部門】
京都市(京都府) / 株式会社サノワタルデザイン事務所 (京都府)
ウッドステーション株式会社(千葉県) / 大型パネル生産パートナー会 (千葉県)
日本ウッドデザイン協会も
新たに設立
12月8日に行われた表彰式のあとには、「一般社団法人日本ウッドデザイン協会」の設立記念発表会も開催された。会長は建築家、デザイナーの隈研吾氏が務めるという。これまで7年間行ってきた 「ウッドデザイン賞」 の成果を活かし、異業種連携による、木材利用を通じた持続可能な社会の構築を目指しての新たな試みだ。今後のウッドデザイン賞や林業界の発展に注目だ。
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