仮想空間で気候変動の影響を考える 未来の森林を探索できるVR体験型プログラムが開発
2020/12/21
アメリカ・ペンシルベニア州立大学が開発したのは、変化する森林の仮想体験プログラム。バーチャルリアリティが気候変動防止に役立つか。
気候変動で森林はどう変わる
VRによる体験型プログラム
米ペンシルベニア州立大学の研究チームは、米ウィスコンシン州の森林を題材に、気候モデルと植生モデル、生態系モデルを組み合わせ、高温少雨となる場合など、複数のシナリオの下で2050年時点の森林を予測。この未来の森林を探索できるバーチャルリアリティ(VR)を用いた体験型プログラムを開発した。
VRゴーグルとコントローラーを使って仮想空間上の森林を散策し、樹木を観察したり、植物群落を構成する種やその分布などを調べながら、気候変動によって森林がどのように変化するのかを体感できる仕組みだ。気候変動が森林にもたらす影響を仮想的に体験させることで、気候変動防止に向けて、より幅広い議論を促そうとしている。
©Alexander Klippel and Jiawei Huang, The Pennsylvania State University
文:松岡由希子
FOREST JOURNAL vol.6(2020年冬号)より転載