森林組合は「何屋さん」なのだろうか? 自分の会社が何屋なのかわかれば、習得すべきスキルが見えてくる
2026/03/16
森林組合とはどんな組織なのか。補助金取扱業なのか、それとも別の役割なのか―。「会員制森林管理サービス業」という視点から、その本質を考える。経営支援のプロ・楢崎達也の連載コラム「次世代林業Lab」。
森林組合ってどんな組織?の質問に
何と答えていますか?
突然行われた衆議院選挙は、結果的に自民党が大勝とも言えるし、最大野党の大敗とも言えましたね。僕が特に興味を持ったのは新最大野党となった政党のネーミング「中道改革連合」。「え〜そりゃ、ねーだろー」(笑)。「政治思想がわかりにくいなぁ」と思っちゃいました。
僕は森林・林業業界以外の人たちに林業業界の仕組みを説明させてもらう機会が多いです。その際、毎回、決まって質問されることがあります。「森林組合ってどういう組織なのですか?」。たぶん、森林組合にお勤めの皆さんも同様の質問を受けているであろうと思います。で、なんて答えていますか?
林業に日常的に関わらない人(=日本人のほとんど)は、森林組合は行政組織の一部だと思っている人も少なからずおられ、「森林組合は行政ですか?」と聞かれることもありますよね。(その際に「ま、そのような感じです」と回答している森林組合職員も結構、おられますね。笑)最近まで某E大学で講義をしていた時、森林組合への就職を予定している大学生に「森林組合とは一言で言うと『何屋さん』?」と問うていました。彼らの回答の多くは「補助金取扱業」でした(笑)。「現実的〜!」とも思いますが、それが森林組合の本質と考えてよいのでしょうか。
別の観点。森林組合の主たる業務である間伐(主伐は一旦横に)において、所有者と森林組合の間に原木売買は発生しますか? 発生しませんよね。
ここまでを整理すると、森林組合は所有者の木を伐採・搬出はするけど、伐採した木は買い取らず、原木を売る場所(原木市場・共販所)に運搬作業するのみ。じゃあ、森林組合は何を所有者に提供しているのでしょうか? やっぱり、補助金取扱業か(笑)?
驚くべきことに林業業界のほとんどの方、または全員かも(笑)が、森林組合が何屋さんかは知らないのです!!! というのも、ぬわんと! 森林組合を表す客観的な一般名詞が存在しないのです。なので「森林組合は森林組合じゃ〜!」と言う、頑固ものみたいな説明になってしまいます(笑)。

補助金だけじゃない!
森林組合の役割
僕の回答を言いますね。楢崎がNEW言葉を作りました! それは「会員制森林管理サービス業」です。「会員制トレーニングジム」みたいな感じです(笑)。
まず、森林組合は基本的に組合員のための組織ですので「会員制」ですね。そして、上記で議論したように物品の売買は発生していませんので、提供しているのは森林管理の「サービス」。本質と考えてよいのでしょうか。
確かに、補助金を取り扱うことは、森林組合の大変重要な作業工程の一つになりますので、補助金肯定派の僕としては(笑)、行政はとても重要な顧客の1人という位置付けでしょう。
森林組合という組織がやっと定義されてきましたね。次に考えなければならないのは「良い『森林管理サービス』とは何か?」ということです。
そして、良い森林管理サービスを提供するために必要とされるスキルはなにか、どういう人材を育成しないといけないのか、というように思考が進みますね。伐採作業だけが上手であれば良いのか、組合員への接客はおろそかで良いのか、新しいサービス提供はしないのか。
森林組合は、日本において「良い森林管理サービス」を提供できる立場にある数少ない組織。それが社会的な存在価値であり、組織の魅力になることもちょっとだけ知っておいてほしいです。それか、補助金取扱業に徹するか(笑)。
PROFILE
FOREST MEDIA WORKS Inc.
CEO
楢崎達也

カナダで森林工学を学んだ後、京都大学大学院を経て、大手銀行系シンクタンクにて森林・林業部門、大手林業会社S社の山林部門勤務。現在、FOREST MEDIA WORKS Inc.にて、森林組合の経営改善支援、人材育成カリキュラム作成・運営、森林経営管理制度実施支援、林業×メディア融合、ITソリューションの現場サイドからの設計をしている。次世代森林産業展2026プロデューサー。
FOREST JOURNAL vol.27(2026年秋号)より転載














