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女性や若手も熱戦展開!伐木競技の全国大会に国内トップ選手が集結

国内のトップ選手たちがチェンソーワークの腕前を競う「日本伐木チャンピオンシップ(JLC)」。その第5回大会が青森県で開かれ、全国から集まった76人が新緑の中、世界大会への出場権を懸けて熱戦を繰り広げた。

<目次>
1.日本伐木チャンピオンシップ(JLC)とは?
2.目立つ若手の活躍!5名が世界大会へ進む
3.競技を通じて技術向上と災害防止へ
4.世界で戦う!WLC出場選手たちのチェンソーはコレ!


日本伐木チャンピオンシップ(JLC)とは?

「林業技術及び安全作業意識の向上」「林業の社会的地位向上」「林業関係者・NPOなどの森づくりへの積極的な参加」「新規林業就業者数の拡大」などを目的として、2年に1度開催されているチェンソーの競技大会。この大会で、世界伐木チャンピオンシップ(WLC)へ出場する日本代表選手が選出される。

 

目立つ若手の活躍!
5名が世界大会へ進む


JLCは2年ごとに開かれ、24歳以上の「プロフェッショナル」、24歳未満の「ジュニア」、女性選手向けの「レディース」の3クラスで伐倒や枝払いといったチェンソー技術を競う。

57人が出場したプロフェッショナルクラスでは12人が予選を突破。決勝では1位の髙山亮介選手(有限会社矢守産業)、2位の横山大蔵選手(下仁田町森林組合)、3位の杉本和也選手(岐阜県立森林文化アカデミー)の3人が世界大会への出場権を手にした。

上段左:横山大蔵選手(下仁田町森林組合/プロフェッショナルクラス2位)、上段中央:高山亮介選手(有限会社矢守産業/プロフェッショナルクラス1位)、上段右:杉本和也選手(岐阜県立森林文化アカデミー/プロフェッショナルクラス3位)、下段左:武藤唯選手(株式会社秋山産業/レディースクラス1位)、下段右:山岡空選手(有限会社矢守産業/ジュニアクラス1位)

髙山選手は前回大会のジュニアクラスチャンピオンで、プロフェッショナルクラスへは今回が初出場。暫定1位で臨んだ最終競技の枝払いでは、わずか5年の競技経験とは思えない落ち着いた動きを見せ、勝負強さを印象づけた。

前回より2人多い10人が出場したレディースクラスでは、前回大会で優勝した地元青森の岡田望選手(ウッドホープ株式会社)と、初出場の武藤唯選手(株式会社秋山林業)の2人が決勝に進出。緑の雇用研修生の武藤選手が大差をつけて優勝し、世界大会への出場が決まった。

プロフェッショナルクラスと同様、若手林業者の伐木競技に対する関心と技術レベルの高まりを示す結果と言えそうだ。

ジュニアクラスには9人が出場。決勝では、髙山選手と同じ矢守産業所属の山岡空選手が、伐倒競技で日本新記録となる競技最高点の660点を獲得。前回大会で同クラス3位の落合海秀選手(株式会社フジイチ)を破り、世界大会への出場権を勝ち取った。

 



 

競技を通じて
技術向上と災害防止へ


今大会では前回大会に出た選手が再び出場を申し込む場合、前回大会での予選の得点が一定点数に達していないと受付を抽選制とするなど、出場者数を事前に絞り込む仕組みが初めて導入された。大会事務局の全国森林組合連合会は「近年の出場希望者の増加を受け、スムーズな大会運営のために抽選制などを取り入れました。世界を目指したい女性や若者が増えているのは嬉しく、大会開催を通して技術向上を図り、林業を盛り上げて災害防止にもつなげていきたい」と話す。

9月にオーストリアで開かれる「第35回世界伐木チャンピオンシップ(WLC)」では、日本大会を制した5人の代表選手たちが世界30ヶ国の選手たちとどんな熱戦を繰り広げるか――。日本勢の今後の活躍に注目したい。

世界で戦う!
WLC出場選手たちのチェンソーはコレ!

ECHO CS7330P

排気量:73.5cm³
本体乾燥質量:6.7kg
価格:289,300円(税込)


STIHL MS500i

排気量:79.2cm³
出力:5kW
本体乾燥質量:6.2kg
価格:313,500円(税込)


Husqvarna 572XP

排気量:70.6cm³
出力:4.3kW
本体乾燥質量:6.6kg
価格:339,900円(税込)

 



 


文:渕上健太
写真:松尾夏樹

FOREST JOURNAL vol.20(2024年夏号)より転載

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