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林業者の取り組み

どうして林業の道に? チェンソー競技で世界一になった青森の林業家 【後編】

アジア人として初めての金メダルを獲得した、青森の林業家である岡田望さん。林業の現場作業に従事してわずか6年。山の仕事を愛しチェンソー技術を高め続た彼女の軌跡に迫る。

 

「チェンソーってかっこいい」
自ら飛び込んだ林業の世界

2014年に青森県で開催された日本伐木チャンピオンシップの第1回大会を観戦し、チェンソーを操る姿に魅了され、林業に興味を持つようになった岡田さん。2015年に青森市で素材生産を事業とするウッドホープ株式会社に転職した。

「最初の2年間は事務の仕事をしていましたが、もともとチェンソーを扱いたくて転職したので、現場作業に入るようになりました。

いまは午前8時に出社して、同僚と一緒に青森市周辺の現場へ向かう。身長153cmと小柄な岡田さんだが、重さ5kgのチェンソーを自由自在に操り、わずか3分ほどで高さ20mもの木を切り倒す。伐採したあとは、自ら重機を操作して木材の運搬もこなしてしまう、スーパー林業女子だ。

勤務先の会社で現場作業をする女性はひとりだけだが、山の仕事を苦しいと思ったことはないという。

「朝からフォワーダで丸太を下ろすなどはい積みを始め、夕方には丸太の山ができあがっていて。今日は早くできたな、やりきったな、という達成感がとてもいいです」と日焼けした顔をほころばせる。



大会を目指すことが
安全技術習得になる

学生時代に陸上の中距離選手として活躍し、もともと体力には自信があったという岡田さん。大会に備えて、仕事が終わったあとや週末にチェンソーの練習をするとともに、ジムに通って瞬発力や体幹のトレーニングを積み重ねてきた。

初めて出場した世界大会での金メダル獲得に「一番苦手な種目だったので実感がなく、得意種目で実力を発揮できなかったことが悔しくて。来年の大会では総合成績で金メダルを獲りたいです。」と次回への抱負を語る。

青森県によると、県内で林業に携わる人は1640人だが、女性は約260人だという。岡田さんは、これからは自分が経験してきたことを、後続世代に積極的に発信していきたいと考えている。

「世界大会の出場に向けてチェンソーの技術を高めることは、日常の現場での仕事を安全で確実にこなしていくことに繋がっていると思います。今後も目的意識を高く持って、仕事やトレーニングに取り組んでいきたいです」と目を輝かせる。

世界チャンピオンとなったチャーミングな林業家が、新たな目標に向かって動き出した。



PROFILE

ウッドホープ株式会社所属
HP/ウッドホープ株式会社

岡田望さん (左から2番目)


文:川島礼二郎・編集部

FOREST JOURNAL vol.16(2023年夏号)より転載

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