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林業者の取り組み

林業事業者もサラリーマンも同じ!? 組織で働く意識を持つことの重要性

林業もサラリーマンと変わらないというのは、FOREST MEDIA WORKS株式会社 CEOの楢崎達也氏。「私たちが森づくり・林業を選択するのは、 私ら自身と所属組織職員の 『幸せ』のためだという事を忘れないで欲しい」と語る。

「林業のガラパゴス化」
が課題

前号に続き、年間約5社ほどの林業事業体の経営支援をさせていただいた中で、見えてきたことをご紹介させていただいています。
 
林業事業体の職員の皆さんと議論をしていると、他産業と根本的に異なっていることがいくつかあります。フォレストメディアワークスでは、それを「林業のガラパゴス化」と呼んでいます(笑)。
 
それなりの組織に所属すると「売上は必ず右肩上がりに増やすように設定するものだ!」と言われます。先々、自分の給料が増える等の待遇が良くなり、従業員が増えて役割分担を行い、効率よく仕事をするためには、やはり、組織が儲かっていなければなりません。
 
儲かるためには、次の2点が必要です。①効率を上げて年間事業量を増やし売上アップ②「無駄」を減らすことでコストダウン。これらの①と②を行うために「組織マネジメント」が必要になるわけです。まず、このことを理解している人が林業業界にはどのぐらいおられるでしょうか?
 



 

重要なのは
経営マネジメントの質

 
私たちは完全に見落としてしまっていますが、大学や林業大学校等で森づくり、林業作業を学んだあと、ほぼ100%が林業事業体等に就職してサラリーマン(=組織人)として林業に携わります。つまりは、林業と言えども、他産業と同じように「組織として成果を出していく」ことになるわけです。
 
今年は、ラグビーワールドカップが大変盛り上がりました(私もラガーマンでした。たぶん、誰も信じない)。組織は「ONETEAM」(2019年流行語大賞)となって活動することが大前提です。みなさん、自分の組織を第三者的に分析してみてください。組織の体をなしていない状況ではないでしょうか。
 
今年度、とある県からの依頼で、県内の林業事業体の現場職員も含めた全従業員に林業事業体で働くことの「満足度調査」と過去3年間で林業を辞めた方への後追い調査をやられています。同じ調査を2007年に全国の4つの合併した森林組合を対象にパイロット的に実施しました。
 
分かったのは、職員の満足度(≒所属し続ける、人が辞めない)につながっているのは、給料や仕事のつらさではなく、「経営マネジメントの質」であるという事です。今後は、経営マネジメントの具体的な事例なども紹介できたらと思います。



 

林業がガラパゴス化してしまっている状況

●林業分野で働くという事は林業会社に勤めるサラリーマンになるという認識がない。
●自分の人生を幸せにするために林業業界で働いているという意識が薄い。(行政の目標達成のためと考えていないか)
●幸せになるため(良い待遇、良い給料等)には所属する組織の利益を増やす必要があるという考え方がない。
●幸せになるための組織の中期目標、短期目標を議論して設定している組織が少ない。(民間組織なのに、何故か目標は行政から示されている)
●現場作業の進捗管理等のマネジメントをしていない。(現場が早く終わろうが遅く終わろうが気にしていない)
 

PROFILE

FOREST MEDIA WORKS株式会社

CEO
楢崎達也

カナダで森林工学を学んだ後、京都大学大学院を経て、大手銀行系シンクタンクにて森林・林業部門、大手林業会社S社の山林部門勤務。現在、同社にて、森林組合の経営改善支援、人材育成カリキュラム作成・運営、森林経営管理制度実施支援、林業×メディア融合、ITソリューションの現場サイドからの設計をしている。次世代森林産業展2019プロデューサー。
 


FOREST JOURNAL vol.2(2019-20年冬号)より転載

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