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農林業用木製ハウスにトレーラー仕様が登場! 環境制御技術をヒノキ育苗に活用

環境制御技術を搭載したオムニア・コンチェルトの農林業用木製ハウス制御システム「さえずり」に、トレーラー仕様が登場。岐阜県では、ヒノキの樹苗育成での活用が始まっている。

メイン画像:太平ハウジング敷地内の「さえずり」でヒノキの着花試験を行う、岐阜県森林研究所主任研究員の茂木靖和氏。

農林業用木製ハウス「さえずり」
トレーラー仕様が新登場!

環境監視制御技術のプロフェッショナル企業であるオムニア・コンチェルトが展開する「さえずり」は、ハウス本体を木材で構成し、用途に応じて環境制御システムを組み合わせる「農林業用木製ハウス制御システム」だ。林業分野でもスギ苗木やしいたけ栽培の現場での採用が広がっている。

ハウス機器を遠隔で監視・操作できるアプリケーション画面。

この「さえずり」が、木材加工の機械メーカーである太平製作所との協業とその子会社の太平ハウジングとの技術協力で新たな展開を迎えた。太平ハウジング代表取締役社長、渡邊圭修氏は説明する。

「我々は全くの異業種ですが、『さえずり』の環境制御システムの高い技術に驚きました。ハウスが3D化されて視覚的にわかりやすく、換気扇やLEDのオン/オフ、潅水も遠隔で簡単にできます。もちろんフルオートにもできる。この技術は、住宅業界でも様々な用途に活用できると感じています」。

環境制御盤を操作するオムニア・コンチェルト原田氏(写真右)と、太平ハウジング渡邊氏。

太平ハウジングによるトレーラーハウスの製造技術を活用して設計されたのが、今回のトレーラー仕様の「さえずり」である。建材には、国産材のヒノキやオビスギなどを使用した。

「木製の良さをどう引き出すか、工夫して取り組みました。構造は900mmの高床で、これは『さえずり』が提唱する床上げ構造による栽培効率を活かす主旨に同調しています。床下の冷たい空気を取り込み、天窓から温かい空気を排出する仕組みを備えています」。


このトレーラー仕様には、車検を取得すればトラックで牽引して納品でき、市街化調整区域にも設置できる、というメリットも。さらに2m×5m=10㎡以下の建築確認申請が不要な仕様も製造可能なため、「可搬型の農林業用ハウス」として活用の幅が広がった。

「興味を持たれた農林業者の方や、事業で農林業に携わる方のところまで、トラックで運んでいくこともできます」(渡邊氏)。

11月、この「さえずり」で、岐阜県森林研究所と太平製作所によるヒノキの着花試験が始まった。主任研究員の茂木靖和氏は、「カメムシの増加や温暖化でヒノキ種子の発芽率低下が課題になっており、外部環境の影響を抑制できる木製ハウス内で着花試験を行います。通常の鉄骨ハウスよりコストを抑え、ヒノキ種子生産に適した環境条件に制御できるということなので、将来的には屋外に設定されている採種園(種子生産を目的とする樹木園)を、木製ハウス内に再現して高品質な種子を生産できたらと思っています」と期待感を語る。

ヒノキ苗の着花に最適な光の質や量を検証。

オムニア・コンチェルトのシステム担当原田氏は、「弊社の最先端環境制御技術で、ヒノキ栽培のイノベーションに貢献したい」と話す。最適な栽培、環境制御効率を生み出す「さえずり」により、林業と地域の未来が動き出している。

問い合わせ


株式会社オムニア・コンチェルト
MAIL:contact@omcon.co.jp


文:川島礼二郎
写真:井ひろみ

FOREST JOURNAL vol.26(2025年冬号)より転載

Sponsored by 株式会社オムニア・コンチェルト

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