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「できない」とは言わせない! 林業の課題解決のプラットフォーム「森ハブ」とは?

技術の実証や普及が地域へさらに波及していく日本の林業イノベーション。「朝、現場に来たら伐倒木が土場にはい積みされ、下刈りが終わっている」。そんな時代の到来は、そう遠くないのかもしれない。

<目次>
1. 課題解決のプラットフォームへ「森ハブ」とは?
2. 期待高まる「森ハブ」の役割
3. 技術革新には人材育成も必要 

 

課題解決のプラットフォームへ
「森ハブ」とは?

新たな通信技術の開発・実証や新技術の展開に欠かせないのが、産学官や異業種の連携、そしてそれをコーディネートするプラットフォームの存在。そこで林野庁が中心となり2021年に立ち上げたのが「林業イノベーションハブセンター(森ハブ)」だ。
 

森ハブの機能

場の形成=プラットフォーム化
事業化(実装)支援の展開
実証プロジェクトの展開
情報発信
 

森ハブがあることでどのような発展がある?


「イノベーション・エコシステム」とは……行政、大学、研究機関、企業、金融機関などの様々なプレーヤーが、共通の課題認識のもとプロジェクトを組成し、断続的にイノベーションが創出される構造。エコシステムは生態系を指す単語。



異業種の技術を林業に
期待高まる「森ハブ」の役割

林野庁は2023年度から、地域一体で森林調査や伐採、流通、再造林などへのデジタル技術活用を目指す「デジタル林業戦略拠点」の構築に向けた支援を予定。取り組みの主体となる地域コンソーシアムには森ハブからコーディネーターが派遣される見通しだ。

さらに林業イノベーションに関心がある林業事業体やメーカー、研究機関、異分野企業などによる場の形成づくりを加速化し、マッチングや情報共有も進める産学官連携による「森ハブプラットフォーム(仮称)」も開設予定で、登録フォームが今年夏頃に設置される見通しである。

このプラットフォームを土台にして、民間主導によるテーマごとのワーキンググループ(WG)が立ち上がる方向だ。林業機械自動化のテーマでは、WG立ち上げに向けた民間による動きがすでに始まっており、ほかにも「デジタル化」や「森林内通信」といったテーマでのWG設置が期待される。
 

「デジタル林業戦略拠点」構築への森ハブの支援イメージ

「例えば、林業機械の自動化では市販化に向けた技術水準を議論する場もありません。林業イノベーション推進のためには、さまざまな場の形成が大事になります。森ハブが場の形成を支援し、WGが立ち上がってきたらWG同士の連携を進めたり、ニーズを吸い上げ国の施策にも反映させたりという仕組みも検討していきます。なお、林業イノベ―ションは小規模事業体には難しいという声も聞かれます。実際には小さい事業体だからこそできることがあります。森ハブが、『できない』というマインドを変えるようなサポートもしていければと思います」(林野庁 藤野和代さん)
 

終わりなき技術革新
人材育成も必要

革新的なイノベーションやデジタル化が進展しても、それを実際動かしていくのは「人」だ。林業イノベーションやデジタル化について、現役の林業従事者に理解を求める粘り強い姿勢だけでなく、林業高校や林業大学校での新たな教育プログラム実践など人材育成も必要だ。

イノベーションには、関係者が同じ方向を向きながら検討していける“場の構築”が大事になってきます。


林野庁 研究指導課 技術開発推進室
藤野 和代さん

 
 

さらに、林業イノベーションの促進には川上や川中を含めた幅広い関係団体の協力が欠かせない。例えば、ハーベスタや専用ソフトを使う検知では木材市場や製材業者などの理解も必要になってくる。下刈りの自動化に向けては、機械が入ることを前提にした地拵えや伐根処理や植付間隔の設定なども必要になってくるだろう。

日本での林業イノベーション推進にはさまざまなハードルがあります。
でも夢がなければイノベーションは起きません。
さまざまな主体がアップグレードを続けていくことが大切だと考えています。


林野庁 研究指導課 技術開発推進室
安藤 暁子さん



DATA

林野庁 林業イノベーション現場実装推進プログラム(令和4年7月アップデート版)
森ハブとは?


取材・文/渕上健太

FOREST JOURNAL vol.15(2023年春号)より転載

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