注目キーワード

機械・ツール

作業しつつ自動データ保存! ICTハーベスタが材積量を見える化「大きな価値感じる」

サプライチェーンマネジメント(SCM)を実現するうえで欠かせないのが日々の材積管理だ。住友建機が販売するKESLA社のハーベスタを導入した、愛媛県・南宇和森林組合の事例を紹介しよう。

住友建機のハーベスタで
材積管理の高度化・共有化

高知県と隣接する愛南町は、日本有数の生産高を誇る真珠母貝や四国一の水揚げ量を誇るというカツオなど、漁業が盛んな町である。愛南町が属する南宇和郡北部には、四国山脈から分岐した篠山支脈があり、森林資源も豊富である。

自然豊かな愛南町を本拠地とする南宇和森林組合が管理している山林は18400ha。組合員数は1399名を数え、内勤者を含めて20名の職員を擁している。

そんな同組合で、SCMの源流となる材積管理を可能にしてくれるハーベスタを導入したという。住友建機が正規品として販売しているKESLA社製品だ。その経緯を組合参事の清水広幸さんが教えてくれた。

「四国は急峻な地形で、平均傾斜30度という山が普通です。だから機械選びは慎重に行わないと、山で使い物にならない、ということすら起こります。ハーベスタに限らず、新規で機械を導入する際は、現場のニーズを聞き出して、それを満たせるものを選んでいます。

このKESLAのハーベスタを導入する際に最優先したのは、枝打ちの性能でした。当地は檜(ヒノキ)が立木換算で6割ほどと、非常に多い。ご存知の通り、檜は硬いですから、ローラー式のハーベスタでは枝打ちできないことが少なくありません。作業機で枝打ちできないと、従業員がチェンソーで行わなければなりません。

KESLA製品は、その枝打ち性能が高い。ということで、10年ほど前に1台、そして3年前にもう1台、合わせて2台を導入しました」。

現場のニーズ=檜の枝打ち性能を評価して導入したのがKESLA社製ハーベスタだったが、これが新たな活用法を生んだ。KESLA社製ハーベスタのもう一つのウリとなっている機能『プロ・ログ』が、それだ。


KESLA社製林業機械が装備するコントローラー『プロ・ログ』

『プロ・ログ』とは、KESLA社製林業機械が装備する、グローバルスタンダード(『StanForD2010』)に準拠したコントローラーのこと。伐採→造材までの一連の作業を行う過程で、自動的に、伐採した日時、樹種、用途、体積(直径・長さ)などの生産データを取得してくれる。

このデータを取得する機能自体は南宇和森林組合が入れた1台目にも搭載されていたが、管理画面が英語であり、また本体に搭載されたモニター上に表示されたものを手で書き写す必要があった。2台目が搭載する現行の『プロ・ログ』では、データをUSBポートから抜き出すことができる

同組合では、この材積データを週に一度現場から事務所に提出することとして活用している。

「当組合では、この材積データを進捗管理や配車管理に活用することで、作業全体の効率化を図っています。気になったのは『プロ・ログ』データと実測との誤差ですが、多くても20%程度でした。しかも、機械で4.15mと設定していても市場では4mと換算される、いわゆる余尺の問題でした。住友建機によると、ここをピタリと合わせる設定も可能なようですので、今後、より高精度なデータを得られると期待しています」。


南宇和森林組合では、プロ・ログで取得した材積データをUSBに保存し、週に一度現場から持ち帰っている。「この材積データを進捗管理や配車管理に活用することで、作業全体の効率化を図っています」(清水さん)。

データ活用により作業効率化を進める南宇和森林組合だが、SCMという観点では、まだまだスタート地点に立った程度、と話す。

「当組合は基本的に全量を市場に出荷していますので、残念ながら、材積データを川中と連携して活用する、という動きにはなっていません。間伐が多い当地域では、SCMを実現するには、乗り越えねばならない課題が山積しています。

それでも、SCMの源流にあたる山側で高精度な材積を見る、ということには、持続可能な経営を実現するうえで大きな価値があると感じています。将来的に川中や川下と繋がるプラットフォームが構築されて、直送にメリットが生まれるようなら、即対応できますからね」。

SCMの構築は容易ではない。南宇和森林組合の現場では「効率的に造材を行いたい」というニーズに応えられる作業機が求められていた。その機能=高い枝打ち能力を有したうえで、さらに材積データを取得できるのが、KESLA社のハーベスタだ。現在の作業効率を向上させつつ、さらに将来を見据えている事業体に、是非知って欲しい逸品と言えそうだ。

 

SOLUTION

住友建機が提供するKESLA社コントローラー
「プロ・ログ」

林業大国フィンランドの林業アタッチメント専門メーカーKESLA社のコントローラー。伐採→造材までの一連の作業を行う過程で、自動的に、伐採した日時、樹種、用途、体積(直径・長さ)などの生産データを取得してくれる

製品の種類、計量証明書、丸太材リストなどのデータは本体に保存され、必要に応じてUSBメモリに保存することも可能。

 

問い合わせ

住友建機株式会社
TEL:03-6737-2600


文:川島礼二郎
写真:川村公志

FOREST JOURNAL vol.10(2021年冬号)より転載

Sponsored by 住友建機株式会社

関連記事

特集企画

アクセスランキング

  1. フリーマガジン「フォレストジャーナル」2022年秋号 9/30発行!
  2. 革新的テクノロジーで森林の課題を解決する専門家集団が新たに手がける8ツールとは?...
  3. ベテランフォレスターが徹底比較! 現場目線で語るアイテム試着レビュー【ヘルメット編】...
  4. 新米林業家が綴る体験記、間伐編! 「どうして大事なの?」「切り捨てるワケって?」...
  5. 森林認証制度「PEFC」と「FSC」の違いって何? 特徴や取得方法を徹底解説
  6. 雑草に悩む林業者必見! 知っておきたい刈払機の賢い選び方とは?
  7. メーカー担当者に聞いた! 最新チェンソーの賢い選び方
  8. 森林計測がここまで進んだ! スマートグラスに計測データ表示、新開発の+AR技術とは?...
  9. 《いざ! 特殊伐採》高所作業車の購入はココで! 信頼と実績のおすすめ販売先3選...
  10. 今までのハーネスはNG!? 林業現場が知るべき2022年1月新規格のポイント!

フリーマガジン

「FOREST JOURNAL」

vol.13|¥0
2022/9/30発行

お詫びと訂正

 


 


Follow Me


» Special thanks! 支援者さま一覧はこちら