作業効率がグンとUP! 林業者におすすめしたい『細り表アプリ』の効果とは?
2019/10/18
何かと手のかかる作業が多い林業。そんな林業の作業効率をUPさせるアプリがあるのはご存知だろうか? 『細り表アプリ』を使用すれば、自分の森林の価値を簡易な方法で知ることができるようになるなど、様々な作業が簡略化されるのだ。今回はそんな優れたアプリを紹介する。
『細り表アプリ』とは?
普段、林業事業者は樹木一本ずつを測量・測定し、計算して価値を決める。しかし、それらは非常に手のかかる作業だ。さらに、紙ベースの細り表は煩雑な検索作業が必要になる。
そこで、そのような煩わしさを全て解消するために『細り表アプリ』が開発された。
細り表アプリは、必要情報を入力すれば対象樹木の直径をすぐに確認できるという優れモノ。
これで、スギやヒノキの一定の高さごとの直径が簡単に分かり、立木をどのように採材すれば高く販売できるかを迅速に検討することができる。
「細り表アプリ」の特徴は?
このアプリでは、下記3種類の細り表を利用することができる。
1.樹高と胸高の直径(地上1.2m位置の直径)から推測する細り表
2.胸高直径と樹齢(木の年齢)から推測する細り表
3.樹高、樹齢、現地の標高から推定する細り表
中でも特筆すべきなのが(2)と(3)だ。
(2)を利用すると、非常に手間のかかる樹高測定を省略することができ、現場作業の効率化に繋がる。
また、(3)を用いれば、ドローン等で取り入れた広域の樹高データから、森林全体の資源量を簡易に把握することも可能だ。
「細り表アプリ」の対応地区は?
現在対応している地域は北海道、山形県、静岡県、長野県、岐阜県、山口県の7都道府県。どの地域も森林を抱え2019年に施行された森林経営管理法に頭を悩ませている。
樹木を資産として計測するのにもコスト、時間がかかるためこのような実用的なアプリがあると市町村も助かるはずだ。
また、私有林の資産価値を簡易でもデータ化しておくことで、自身の森林資産を把握しやすくなる。日本の林業にICT化が進むことは人材不足の解消や新たな雇用の創出に繋がるとも考えられるのではないか。
3K(きつい、きたない、きけん)と揶揄される林業の現場が、今変わろうとしている。
Text:岩田 武