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木質バイオマスが注目される「5つの理由」って?【前編】2050年脱炭素実現や間伐材活用

木質バイオマスを利用するメリットはなんだろう? 林野庁『木質バイオマスの利用推進について』を参考に紐解いてみよう。これからの日本の林業の道筋を示すヒントがあるはず。

理由①

2050年カーボンニュートラル
(脱炭素)の実現

日本は、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「2050年カーボンニュートラル」を目指すことを国際社会に宣言。

そのひとつの取り組みとして、国内で生産できる再生可能エネルギーの推進がある。2030年度の電力供給のうち再生可能エネルギーの割合を36~38%とし、そのうち5%は木質バイオマスも含めたバイオマス発電を見込んでいる。

「カーボンニュートラル」とは、二酸化炭素などの温室効果ガスの「排出量」と、森林などによる二酸化炭素の「吸収量」が同じになること。エネルギーとして木材を燃やして発生した二酸化炭素は、伐採された森に新しい樹木を育てることで、その成長の過程で再び樹木に吸収され、プラスマイナスゼロになる。

このような効果を発揮させるには、間伐などの森林整備や人工林の再造林、木質バイオマス利用の拡大が必要で、2050年までの喫緊の課題になっている。



理由②

未利用材が
宝に変わる

木質バイオマスのうち、製材工場の残材や住宅解体材は90%以上再利用されているが、間伐材などの未利用材は運搬にかかるコストの面や林道などの路網の未整備などで、活用されているのは発生量の3割程度にとどまるという。

こうした未利用材の木質バイオマスエネルギー活用のほかにも、木材の新たなマテリアル利用の技術開発が進んでいる。

軽量ながら高強度な素材で「セルロースナノファイバー(CNF)」のほか、木材の主要成分のリグニンを用いた「改質リグニン」は、高強度・耐熱性などに優れた樹皮素材で、スピーカーの振動板などで商品化。今まで利用されなかった木材を宝に変える技術が誕生している。

 


文:後藤あや子



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