「ウッドデザイン賞2025」受賞作品が決定! 多様な用途での木材利用が広がる
2025/12/12
木を活かした社会課題解決デザインを表彰する「ウッドデザイン賞2025」の受賞結果を紹介。最優秀賞4作品や注目のプロダクトをまとめて解説する。木を活かした新規性あるビジネスモデルや地域発の挑戦が、業界にどのようなインパクトを与えるのだろうか。
多様な木材利用が集結
「ウッドデザイン賞2025」受賞作品発表
「ウッドデザイン賞」は、木を使って様々な社会課題を解決する、優れたデザインの建築・空間、プロダクト、活動や研究を表彰し、広く社会へ発信する顕彰制度。応募総数327点のなかから上位賞31点が選出された。
ウッドデザイン賞2025審査委員長を務めた赤池学氏は、「建築・空間分野では大規模木造建築を始め、オフィス、観光交流施設や一般住宅まで多様な用途での木材利用が見られ、地域工務店から大手ゼネコンまで木の担い手である事業者の幅が広がっている。コミュニケーション分野では「川上~川下の新たな協業、新規性あるビジネスモデルの提案が目を引いた」と総評する。
今後の「木材利用の新たな担い手」の登場を予感させるこれらの受賞作品は、12月10~12日(水~金)に東京ビッグサイトで開催の『エコプロ2025』で展示される。
最優秀賞受賞作品
最優秀賞(農林水産大臣賞)
「2025年日本国際博覧会 大屋根リング」

最優秀賞(経済産業大臣賞)
「ヤマト本社ビルA棟・B棟」

最優秀賞(国土交通大臣賞)
「エバーフィールド木材加工場」

最優秀賞(環境大臣賞)
「美郷町カヌー艇庫 カヌーパークみさと カヌーレIMAI」

受賞作品の中から
注目のプロダクトを紹介!
優秀賞(林野庁長官賞)
「みえ森林・林業アカデミー棟」

教室や談話スペース、調理コーナーなど、訪れる人たちの交流を促す木質感溢れる空間づくりへの工夫が評価された。一般流通材を中心に地域で調達した無垢材を採用し、大径材も積極的に活用。木造建築のショーケース的な役割も担う。
優秀賞(林野庁長官賞)
「楽しみながら森林サイクルを学べる
新発想のボードゲーム『森の守り人』」

獣害や自然災害、違法伐採なども登場し、リアルな林業の現状を学ぶことができるボードゲーム。小学生から森林、林業関係者まで、知識や経験ごとに気づきの要素があり、木材利用の意義を広める貴重な役割を担う。
奨励賞(審査委員長賞)
「循環葬® RETURN TO NATURE」

土壌環境アドバイザー監修のもと、遺骨を寺院が所有する森に直接埋葬する新しい葬送サービス。マンション形式の箱が並ぶ棚や墓石が並ぶ郊外型の墓地ではなく、森林を守りつつ自然に還るというコンセプトを近隣住民の理解とともに実現させた。
DATA
FOREST JOURNAL vol.26(2025年冬号)より転載














