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自治体との連携で進む「循環型農林業」。木製ハウスを中心とした“樹の街創り”とは

農林業用環境制御盤の開発と普及を担うオムニア・コンチェルトが、地域農林業を効率的かつ持続的に機能させるエコシステム事業を推進している。自治体との連携で進められるそのビジョンとは?

自治体との連携で進める
「樹の街創り」構想


スギの間伐材を燃料とする小型バイオマス発電所の排ガスからCO₂を回収し、木製ハウスでの農業や林業での促成栽培へ活用するほか、発電所から出る熱も地域の施設運用に無駄なく活用する――。このような複合型農林業施設の構想に関連した話し合いが、現在複数の地方自治体との間で進められている。

オムニア・コンチェルト代表取締役の藤原慶太さんは、「地域と連携して、複合型農林業施設、題して『樹の街創り』を構想しています。その核となるのは、バイオマス発電所であり農林業用木製ハウスです。この構想が実現すれば、地域資源を循環させることで、エコシステム=活気溢れる持続可能な地域社会を作ることができるはず。興味を持っていただく自治体の方と、具体的な話し合いを始めています」と語る。

 


「樹の街創り」構想でも核となる、オムニア・コンチェルトが仕様設計した農林業用木製ハウス。ハウス内ではスギの苗木育苗が主となる。

同社技術による植物へのCO₂局所施用のほか、環境制御による栽培技術を取り入れた現場は、農業・林業分野で全国900箇所以上にのぼる。前頁で取材を行った林木育種センターでの原種苗木の育苗ハウスも、その技術が活用された事例の1つだ。

農林水産大臣賞(平成28年)と天皇杯(平成29年)を受賞した杉の育苗事業者、林田樹苗農園でも「Mスターコンテナ苗」へのCO₂局所施用による促成栽培で成果を上げている。

林田樹苗農園でのCO₂局所施用の様子。

さらに小型バイオマス発電については、宮崎県串間市での実証に続き、栃木県佐野市の住友大阪セメント工場内における木質バイオマス発電所から排出されるCO₂をスギ苗木の育苗に活用し、LED照射する実証が進められている。ここでは、日射量を調整しながら、太陽光パネルで発電も行い、自走式技術を確立している。

住友大阪セメントとの実証実験が行われている育苗ハウスの内観。

同社の技術を核にした「樹の街創り」が実現する日は、もう近くまでやってきている。

農林業用ハウス制御システム「さえずり」


3D画面でハウスの環境制御機器を遠隔監視・制御できる「Sfumato」をはじめ、LEDやCO₂局所施用装置などを、農林業用ハウス制御システム「さえずり」として展開。※写真はSfumato 林業用苗木の育苗ハウスの遠隔監視制御システム画面。

 

問い合わせ

株式会社オムニア・コンチェルト
TEL:080-2356-3600


文:川島礼二郎

FOREST JOURNAL vol.24(2025年夏号)より転載

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