【FORESTRISEリポート①】CO2削減を目指す企業と森林をマッチング
2024/09/27
2024年9月18日(水)~20日(金)、林業イノベーションが集まる展示会「FORESTRISE 2024(第4回次世代森林産業展)」が、東京ビッグサイトで開かれた。展示されたソリューションのなかから、みどり豊かな森林とCO2削減を目指す企業をマッチングする企業を紹介する。
森林の強靭化や持続性の
サービスに領域を広げる
FORESTRISEとは、森林資源を共通の基盤とする川上の林業から、川中の林産業、川下の木質バイオマスまでを包括的な一つの産業として捉えたフォレストビジネスを表すFORESTと、(太陽などが)出る、昇る(人が)立ち上がる、起きる(数量が)増える(価格が)上がる、上昇する(物事が)始まることを意味するRISEを組み合わせた造語だ。日本の森林産業の再生、活性化を願って名付けられた。
非住宅・中高層・大規模建築物の木造・木質化や、プラスチックの代替となる木材由来マテリアルなど、あらゆる場面でSDGsや脱炭素社会の実現を視野に入れた「木づかい」の潮流が生まれ、森林産業へ注目が集まりつつある。FORESTRISE 2024(第4回次世代森林産業展)には、63社・団体、74のブースが出展した。生産性・安全性・収益性の向上や、労働の軽労化、省力化につながるソリューション、さらには森林全体の強靭化、持続性に向けたサービスにまで領域を広げて開催された。
20,000ha以上の森林と
企業をマッチング
woodinfoの展示ブース
woodinfoは、森林・林業・木材産業および樹木関連の情報システムの開発と運営・コンサルティングを行っている。林業や木材流通をより良い産業にするには、もっと多くのICTの導入が必要であり、そのために、多用なパートナーとさまざまなプロジェクトに取り組んでいる。
具体的には、航空レーザーや衛星データを使って森林の状態をチェックし、そのデータをもとに、カーボンクレジットをつくっている。さらに、このクレジットを買いたい企業とつなげ、二酸化炭素の削減に貢献している。現在、20,000ヘクタール以上の森林と85万トンのCO2削減を目指す企業と協力している。ドローンや3D地図作成システム「Digital Forest」を使って、効率的かつ正確なモニタリングを行い、質の高いカーボンクレジットを提供するため、継続的なチェックを実施している。
DATA
取材・文/ 高橋健一