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疾走! MTBパーク「ミリペタ」がついにオープン。桜吹雪舞うコースの完成秘話とは?

2022年4月3日、遠州森町に新世代マウンテンバイク(MTB)パーク『ミリオンペタルバイクパーク』がオープンした。山主と地域住民、行政はどう連携したのか。パーク運営メンバーにお話を伺った。

花びらが舞うトンネルを
MTBで疾走

地域のマウンテンバイカーたちが1年以上前から造成を続けてきたマウンテンバイク(MTB)パークが、ミリオンペタル合同会社による運営のもと、ついにオープンを迎えた。

場所は自然豊かな、静岡県の遠州森町三倉。このパークの運営目的は、「地域活性化」「中山間地域の森林資源の有効活用」「マウンテンバイクの普及促進」。この3つが見事、実現したのだ。

パーク名は『ミリオンペタルバイクパーク』。通称ミリペタ。ミリオンは100万。ペタルは花びらの意。名前の由来は、このパークのシンボルツリーである樹齢150年を超えるヤマザクラの花びらが幾重にも重なり、舞い散る様子から名付けられた。

シンボルツリーであるヤマザクラ。日差しを求め背丈が高くなった樹から舞う桜吹雪は圧巻だそう。

春先にヤマザクラが満開を迎えると同時に赤みのある葉をつけ、野性味のある美しい花で山々が彩られる。ヤマザクラは寿命が長いため数百年を超える大樹も多く、大きく繁った木々が花びらの舞う幻想的なトンネルを作り上げる。その中をMTBで疾走するのだ。



林野庁の助成事業SFAで
最優秀賞を獲得

始まりは2020年秋、ヤマハ発動機の社内公認クラブ「森マウンテンバイククラブ」部長・小倉幸太郎さんが、掛川市森林組合が主催するフォレストツーリズムでこの地を訪れ、多様な植生に魅了されたのがきっかけだった。

「MTBを家族や仲間とともに心置きなく楽しめる環境を自分たちの手で作りたい」。

小倉さんは、ヤマハ発動機では行政と連携し、低速で公道を走る電動車による移動サービスを中山間地や高齢者の交通課題解決に繋げる社会実装を担当する。人事担当者との面談を重ね、「地域貢献になるなら」と副業が認められ、終業後や休日を使って運営会議やパークの維持管理に取り組んだ。

そして、2021年1月からコース作りを開始。資金が限られる中、元々の自然環境を生かし、マウンテンバイカー数十名で立ち木の間を縫うように、ツルハシやスコップで少しずつコース整備を進め、初心者から上級者までのさまざまな難易度の5コースが今年4月に完成した。

この構想は、2021年、林野庁の助成事業「サステナブル・フォレスト・アクション(SFA)」で最優秀賞を獲得し、助成金を受けて活動が加速した。


重機を使用して造成することもあるが、事業スタート時は山主からの信頼を得るためにも手作業が中心だったという。山林を歩き、次に造成する道やコースの検討をつけることも。

MTBコースのデザインを担当したのは隣町の掛川市森林組合に勤務するMTB歴20年の望月幸多さん。パーク立ち上げとブランディングを担当したのが、ヤマハ発動機でeMTB製品開発を担当する渡邊岳さんと、製品デザインを担当するMTB歴35年の寳田(たからだ)直己さんだ。


(写真後列左から)甚沢攻さん、渡邊岳さん、小倉幸太郎さん、望月幸多さん、寳田直己さん。全員がMTBを乗りこなす。

「この森林は、水源かん養保安林でもあり保健保安林。こうした土地を活用し、行政や森林組合、地域の皆さんと相互に協力しながら発展させていくために法人を設立しました」(小倉さん)。


取材・文:脇谷美佳子
撮影:松尾夏樹



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