ブラジルの植林活動でも活躍! バイオミミクリーを応用した「苗木育成ソリューション」
2021/06/21
SDGsでも世界共通の課題として挙げられている、「サステナブルな森林経営」。世界ではどのような取り組みが実施されているのだろうか。今回は、ブラジルで開発された苗木育成ソリューションを紹介する。
バイオミミクリーを応用した
苗木育成ソリューション
ブラジルで開発された「ニュークレアリオ」は、バイオミミクリー(生物模倣)を応用した多機能な苗木育成ソリューションだ。落葉落枝で土壌を保護する森林のメカニズムにならい、中心に苗木をはめ込んで周りの土壌を覆うことで、外来雑草から土壌の養分を保護し、土壌浸食を防止。雨水を内部に貯めて土壌水分を制御する機能は、雨や露から水分を集めるアナナスの貯水槽の仕組みから着想された。表面にはくぼみをつけ、ハキリアリの侵入を妨げる機能も備えている。
また、丈夫な素材でできており、苗木の成長を3年サポートした後、他の苗木にもリユースが可能だ。これまでに世界自然保護基金によるブラジルでの植林活動などで活用されている。
©Nucleário
文:松岡由希子
FOREST JOURNAL vol.7(2021年春号)より転載