シカ密度をスマホで確認!? 先端技術と最新資材で効率的な獣害対策を行おう!
2023/07/21
増加するシカによる被害を防ぐ資材として忌避剤や柵が用いられているが、その効果はシカ密度によって異なる。 どのくらいのシカの頭数に対し、どの防除方法があうだろう?
防除方法の基準
シカ密度がどのくらいの場合、選ぶべき防除資材はどれか。森林研究・整備気候の森林整備センターが全国の水源林造成事業地のデータを解析した研究成果をもとに資材の選択基準を紹介しよう。
●調査時目標…植栽から8年以内の幼齢木の被害率50%未満とする
実施:2018年
対象:造林地約1,200件のデータを解析
調査内容:各造林地でのシカによる植栽木の被害率/施用・設置した防除資材の種類や仕様
注:柵支柱の素材、造林地の面積、造林地の最大傾斜度、植栽樹種は防除効果に大きな影響はなし。
出典:(国研)森林総合研究所 研究成果選集令和2年度版
※ 防除効果が高い柵の仕様とは?
①噛み切り防止:ステンレス入りで網目が細かいネット
②飛び越え阻止:高い位置(2m)まで設置すること
③潜り込み阻止:柵下部の地表面を覆うスカート部分がネットと一体型となっているもの
研究結果を踏まえて……
効率的な獣害対策・3選
先端技術や最新資材を組み合わせて、効率的な獣害対策を行おう!
リアルタイムな捕獲通知で
遠隔監視でもばっちり管理!
情報取得①:シカ情報マップ
『シカ情報マップ』は、スマホやPC等から報告されたシカの目撃・被害情報を、マップ化したもの。情報はリアルタイムで更新され、全国の情報を報告・閲覧できる。
情報取得②:やるシカない!
「シカ情報マップ」の情報をさらに詳細化した獣害対策支援アプリ「やるシカない!」は、シカ密度の現状把握マップ(5×5kmメッシュ)とシカ情報マップの情報をそれぞれ表示する。愛知県域のシカ出現予測マップ(250×250mメッシュ)も閲覧可能。
「シカ情報マップ」・「やるシカない!」のリソースにより、全国から周辺地域までの情報をカバーし、情報の精度を上げ、シカ柵設置・捕獲・被害予防に貢献する。
※「やるシカない!」は、現在Web版「やるシカない! for Web」のみが公開中。
ネットもさらに強化し一網打尽
囲い罠でイノシシ・シカ対策
防除資材:ネット式囲い罠
シカやイノシシの生態的特性を活かしたネット式のワナ。柵下から潜り込む習性を利用し餌でおびき寄せ、ネット下から侵入させる。出口がなく時間差でも入ってしまえばOK、一度に数多く捕獲できる。ネット式なので、イノシシの突進も受け止め、設置・罠移動が簡単だ。
¥275,000(税込)
問/太田製作所
リアルタイムで遠隔監視
見回り・捕獲を効率化
捕獲補助:リモワーナ®
くくり罠などにセンサを取り付けるだけで罠の遠隔監視が可能になり、見回り業務負荷を軽減。次世代LPWA規格「ZETA」を用いることで基地局の設置数を抑え、広範囲のエリアを低コストでカバーすることができる。GPSや画像登録により罠の位置の見える化を実現。罠が作動すると通知が届き、関係者への情報共有もラクラク。
問/凸版印刷株式会社
FOREST JOURNAL vol.16(2023年夏号)より転載