防護服やチェンソーって支給なの? 林業会社に入社する前に知っておきたいコト。
2022/12/26
林業に転職して3年目の林業家が生き生きと綴る「新米目線」コラム! 第6弾は「林業会社の装備品支給」についてを紹介。身を守るための防護服や作業に必要なチェンソー。これって自費で買うの? 会社から支給されるの?
林業で働く!
装備はどうする? 自腹……!?
今回は林業で扱う道具や装備品についてのお話をしたいと思います。これから林業をやってみたい、林業への転職を考えている、という方たちへ少しでも参考になれば幸いです。
林業ではチェンソーや刈払機などを使って作業を行うのですが、例えば、木を切るためにチェンソーだけあればいいのか?
答えは「いいえ」。
チェンソー以外にも揃えないといけないものがあります。チェンソー作業を行うためには、チェンソーパンツ(防護服)を必ず身につける必要があります。現場ではヘルメットの着用はもちろん、その他にも任意ですが、チェンソーブーツや防振グローブ、保護メガネなど、揃えたほうがいいアイテムもあります。
これらの装備品などを一式揃えるとなると、結構な金額になります。では、これら作業で扱う道具や装備品はすべて会社から支給されるものなのか?
答えは「会社によって違う」です。
「え? 仕事で使う道具なんだから、全部会社が用意してくれるんじゃないの?」という声が聞こえてきそうですね(僕もそう思ってたからです)。道具や装備など、ほぼ全てを支給してくれる会社もあれば、基本的に自費購入で道具を揃えて、『借り上げ代』などとして会社からの給与の一部としてもらうというケースもあるそうです。
本記事で言う【借り上げ代】とは……
作業員が自費購入している私物のチェンソーを使って仕事をする場合、会社が私物のチェンソーを借りて業務遂行するという構造になる。なので私物品レンタル料として、会社が作業員にレンタル料を支払う。その代金のことを「借り上げ代」という。
あるそうです、というのは、僕の場合、所属している会社の支給品制度が整っているので、自費購入で揃えるものはほぼありません。
ただ、支給品制度はここ最近整ったそうで、昔から働いているベテランさんたちから、以前は自費購入で道具すべてを揃えていた、という話を聞きました。「借り上げ代」などとして発生するお金で道具を揃えていたというお話でした。
これから入社しようか検討している会社に支給品制度があるかないかは、事前にチェックしておく必要があると思います。他にも「燃料代や借り上げ代は出るが、修理代は出ない」とベテランさんたちから聞きました。
そうなんです、備品を購入するだけでなくメンテナンス費も大事なチェックポイントです。
頼れる相棒、林業機械
そのメンテナンス費も必要だ!
機械も装備も使っていけばいくほど劣化していきます。機械などを定期的にメンテナンスしたり、装備を買い替えたりするランニングコストは相当な金額になるはずです。これも支給の範囲に入るのかも先にわかるといいですね。
メンテナンス費も含め、支給品制度が整っている会社であれば、安全確保のために必要な道具・装備を万全に揃えた状態で作業が出来るので安心です。
機械が壊れたり服が破けても、修理に出したり、新しいものと交換してもらえるので、作業員としてはとても安心できる制度だと思います(ただし、なんでもホイホイすぐ買い替え!とはいきませんよー)。会社によっては身につける装備品一式を「制服」として用意してくれるようなところもあるようです。
支給品制度のデメリットを強いて言えば、物を大事にする感覚が薄れやすい、といった点でしょうか。
「チェンソーの修理代は自腹を切らなくてはいけない」となれば、もっと丁寧に扱っているかもしれないな、という感覚が自分の中にもあるからです。ベテランさんたちが「今の若いモンは物を大事にしない」という発言をするのもなんとなくうなずけてしまいます(道具は大切に扱おう!)。
では、そもそも支給品制度がない場合はどうでしょうか。
僕自身は支給品制度がある会社での経験だけなのですが、支給品制度のない会社で働く林業仲間から聞いた話によると、「装備が整っていないから発生した事故」があるとのこと。必要最低限の装備を揃えることができなかったり、何年も使用していて劣化があるが買い替える余裕がない、などの問題があるそうです。
安全安心のために
必要な費用だから。
「安心・安全」という意味で、装備品支給の有る無しは重要なポイントだと思います。
さまざまな雇用契約があると思いますが、一般的な作業員として、生活に必要なお金プラス道具代、となると、中々苦しいものがあるなぁと感じてしまいます。
しかし、支給制度はないが、その分、お給料や手当てがしっかりしている……ということもあるかもしれないので、よく確認しておきたいですね。
僕が林業会社の求人票をチェックしていた頃、「チェンソー、刈払機購入後、手当て支給」のような文言を見かけて「ん?どういうことだ?」となったのを覚えています。
今となっては「そういうことだったのか」と理解できますが、実際、林業を始めるまではわからないことでした。それでも事前に確認しておくことが大事です。
安全第一で装備を整えて、
本日もご安全に!!
PROFILE
新米林業家
とてお
とある地方の森林組合に務めていて、林業3年生になったばかりの『林業初心者』。
「新米林業家とておの林業ブログ」にて、林業初心者目線で『林業』についての情報発信をしています。
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