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新米林業家が綴る体験記、間伐編! 「どうして大事なの?」「切り捨てるワケって?」

林業に転職して3年目の林業家が生き生きと綴る「新米目線」のコラム! 第2弾は「切り(伐り)捨て間伐」を紹介。もったいないけど切り捨てなきゃいけないワケって? 実際の作業はどんな感じ?

 

林業3年目、
新米林業家のとておです!

前回は『下刈シーズン』を紹介しました。今回は『切り(伐り)捨て間伐』について、林業初心者目線で書いていきたいと思います。

前回記事はコチラ!林業ってどんな仕事? 新米林業家が綴る 「林業の一日」! 下刈りシーズン編
 

間伐とは?
どうして間伐するの?

間伐とは、ざっくり言うと、木を切って間引く作業です。 どうして間引くのかというと、植えた木が成長し大きくなると、ぎゅうぎゅうに込み合ってしまい、お互いの成長を妨げてしまうからです。

間伐をしていない山は、木と木の間隔が狭く、枝や葉っぱが密集して太陽の光が入ってきません。そうすると、木は上手に育つことが出来なくなってしまいます。植えてから20年や30年も経つのに、ヒョロヒョロのままであったり、曲がって育ったり、朽ちてしまったり…。

木が密集して上手く成長できなかったところは、木が細く根もしっかり張ってなくて脆い場合が多いので、災害などにも弱くなります。適切なタイミングで木を間引いてあげることで、真っ直ぐで太い、丈夫な木や林を育てることが出来ます。

ここまで書くと、「間伐って大事な作業なんだ」ということは伝わると思います。

しかし、「木材の需要や価格低下のため、作業をしても赤字になるから間伐が出来ない」、「林業従事者の不足などによって間伐が間に合っていない」、などといった声を、色々なところで見聞きするようになりました。

山のお手入れは、災害防止や獣害対策、環境を良くする点でもとても大事で、必要なこと。

「山のお手入れはしたいけど、キレイにお手入れをするには、お金も人も時間も足りていない」という状況のように感じています。山主さんのためにも、企業や山の現場で働く人たちのためにも、そして何より、キレイな山を維持・管理していくためにも、今出来る目の前の事に注力していければと思います。

 

もったいないけど、
切り捨てなきゃいけないワケ

間伐にもさまざまに方法・作業があるのですが、今回は『切り捨て間伐』について紹介します。

『切り捨て間伐』は文字通り、切った木をそのまま山に捨て置く作業です。林業初心者や未経験の方からすれば「なんでこんなもったいないことをするんだ」と思ってしまいそうな、僕自身もそう思う作業です。

あるとき上司に聞いてみました。

とてお:「なんでここの木は出さない(搬出しない)んですかー?」
上司:「ここは作業道を入れるのが難しい場所だからです」

作業道というのは読んで字のごとく、「作業をするための道」のことです。なるほど、切った木を運び出す「道」がなければ運べないのです(当たり前のことではありますが、林業初心者はこうやって知識を入れています)。

個人的に調べた範囲では、次のような「切り捨てなければならない」理由があるそう。

●道をつくる予算がない
●道をつくるために、土地所有者との交渉が上手くいかない
●そもそも木を搬出、運搬する予算がない

しかし、実際の作業に直接関係がないからか、現場の作業員にはこういった情報はなかなか入ってきません。自分から積極的に尋ねてみたり、調べてみています(調べてみてもわからないことも多いので、『専門の情報メディア』というのはとても役に立ちます)。



 

選んで切り捨てる
実際の作業は、こう。

『切り捨て間伐』は、ただ闇雲に木を切って捨てるわけではありません。残す木と切る木を選ぶ、選木(せんぼく)という作業があります。

真っ直ぐ、キレイに成長している木は残し、曲がったり、二股に分かれてしまったりと上手く成長出来ていない木を選んで切ります。あとは、木と木の間隔や、枝や葉っぱの状況(樹冠)を確認したり、聞いた話では山の形状や、風の流れなども確認される方もいるそう。

残した木がキチンと成長できるように、土砂災害などが発生しないように、起こりうる状況を考えながら作業をしていきます。

選木作業は、選木しながら切り進めていくパターンと、選木した木にテープなどを巻き印をつけてから一気に切っていくパターンなど、色々あるようです。伐採計画の契約の中で「先にテープを巻かなければならない」と記されていることもあると聞きました(このあたりのお話は、新米林業家の僕にはまだまだ勉強不足なところがあるので、引き続き学んでいこうと思います)。

 

キレイに置いていくことが
木の成長に繋がる

選木後、木を切った後は、切りっぱなしで置いておくのではなく、なるべく枝を切り払って、幹は3~4分割くらいに小間切れし、キレイにまとめておきます。

このキレイにまとめておく作業がなかなか大変なんです。

「育ちの悪い木」とはいえ、一本一本の重量はかなりのモノ。急斜面の山中で、木を担いだり、引きずったりして、整頓していきます。一日中この作業をしていると、身体中のいたるところから悲鳴が聞こえてくるほどです…。

間伐は「成長させたい木を残しておく」わけなので、残した木を傷つけないように作業を行うことも重要。切り倒した木が、他の木を痛めてしまっては間伐作業の意味がないのです。

「倒したい木を狙ったところに倒す」というのは、チェンソー初心者には難しいことではありますが、だからこそ間伐作業というのはスキルアップに適していると僕は考えています。

また、雑に捨て置くのではなく、キレイに片付けることで、災害のリスク軽減や動植物たちが住まうより良い環境のためになるそう。

間伐作業を減らしていく試みなどもあるみたいですが、切り捨てる木が少なくなればいいな、と林業初心者の僕は感じています。

それでは、本日もご安全に!!

 

PROFILE

新米林業家・コラムニスト

とてお


とある地方の森林組合に務めていて、林業3年生になったばかりの『林業初心者』。
「新米林業家とておの林業ブログ」にて、林業初心者目線で『林業』についての情報発信をしています。

【新米林業家とておの林業ブログはこちら】
【Twitterはこちら】




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