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林業を選ばれる職場にするには? 経営支援のプロに聞いた! カギは今いる社員の満足度

林業が選ばれる職場になっていくためには? 実際に林業事業体の経営支援をしている楢崎達也さんにそのポイントを聞いた。

「林業の常識」ではなく
「一般の常識」に
照らし合わせてみよう

林業という職業はユニークな仕事であることは間違いない。だからと言って、林業の個性が強すぎて、社会一般からガラパゴス化するのはいただけない。

いまなお林業界で働く人やこれから林業に携わり働き始める人は、「林業を行うサラリーマン」として一般社会に生きるのだ。林業だけの社会ではなく、他産業と同じ常識を有した社会に、だ。

そのことを意識して、林業を行う組織づくりを考えると様々な改善点が見えてくるはずである。例えば、自分の子供や知り合いに勧められるような林業会社を目指していければ、良い方向に向いていくだろう。




「林業」は林業のプロに、
「組織経営」は組織づくりの
プロに学ぼう

林業従事者のほとんどは「林業」について学んでいるだろうし、林業に関するさまざまな研修も行われており、林業の「経営」についてはその道のプロが多いだろう。

しかし、林業における会社の「組織経営」については、実はほとんど知識がないのではないかと思われる。

林業を「選ばれる職場」にするべくやるべきことは何か。それは「組織経営」=林業会社をどう経営していくのかをしっかり見直していくことだ。

それでは、どのように「組織経営」の改善を進めていくのか。森林組合のように「経営者」が定義されていないような場合、手っ取り早いのは「組織経営に経験がある人」に教えてもらうことである。事実、2021年4月より森林組合法が改正され、理事に法人経営の経験者を選出することが推奨されている。


出典:FOREST MEDIA WORKS Inc.



いま会社にいる社員が
満足できる経営を目指そう

岐阜県の調査結果から示唆されることは、いま現在、林業会社で働いている先輩社員が今後もその会社で働き続けるかどうかが、新しく入ってきた後輩社員の将来設計に大きく影響するということである。先輩社員が辞めないということは、その会社で働き続けることに価値を見い出せる証拠と言える。

そのため、組織の経営を指揮する者は、今いる社員の満足度を高めるための職場づくりを行うという意識を持つことが必要である。ここでいう「満足度を高める」とは「甘やかす」という意味ではなく、「やりがいを感じられる」職場にしていくということである。

林業事業体職員満足度調査


平成19年度に4つの森林組合を対象とした調査結果 出典:FOREST MEDIA WORKS Inc.

筆者PROFILE

FOREST MEDIA WORKS Inc. CEO

楢崎達也

カナダで森林工学を学んだ後、京都大学大学院を経て、大手銀行系シンクタンクにて森林・林業部門、大手林業会社S社の山林部門勤務。現在、同社にて、森林組合の経営改善支援、人材育成カリキュラム作成・運営、森林経営管理制度実施支援、林業×メディア融合、ITソリューションの現場サイドからの設計をしている。次世代森林産業展2019プロデューサー。


FOREST JOURNAL vol.8(2021年夏号)より転載

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