誰でも使えるWeb-GISから立木の強度測定まで! 森林の価値を高める次世代技術【FORESTRISE 2026】
2026/10/06
2026年9月、林業イノベーションが集まる展示会「FORESTRISE 2026(第5回次世代森林産業展)」が開催された。出展したブースの中から、パシフィックコンサルタンツのデジタル基盤「JOFDAP」と、坂本電機製作所の木材強度評価器「WoodEcho」を紹介する。
森林の強靭化や
持続性に領域を広げる

FORESTRISEとは、森林資源を共通の基盤とする川上の林業から、川中の林産業、川下の木質バイオマスまでを包括的な一つの産業として捉えたフォレストビジネスを表すFORESTと、(太陽などが)出る、昇る(人が)立ち上がる、起きる(数量が)増える(価格が)上がる、上昇する(物事が)始まることを意味するRISEを組み合わせた造語だ。日本の森林産業の再生、活性化を願って名付けられた。
非住宅・中高層・大規模建築物の木造・木質化や、プラスチックの代替となる木材由来マテリアルなど、あらゆる場面でSDGsや脱炭素社会の実現を視野に入れた「木づかい」の潮流が生まれ、森林産業へ注目が集まりつつある。FORESTRISE 2026(第5回次世代森林産業展)には、63社・団体、78ブースが出展。生産性・安全性・収益性の向上や、労働負担の軽減、省力化につながるソリューション、さらには森林全体の強靭化、持続性に向けたサービスにまで領域を広げて開催された。
官民のデータを一元化
業務の効率化をサポート
パシフィックコンサルタンツ株式会社
パシフィックコンサルタンツ株式会社のブース
パシフィックコンサルタンツ株式会社は、建設コンサルタント業務で培った豊富な知見や高度な技術力を生かし、持続可能な森林経営や地域産業の活性化に向けた多様なソリューションを展開している。地域の森林課題の解決やスマート林業の推進に向け、官民のパートナーシップを活用した社会インフラやデジタル基盤の構築に取り組んでいる。
FORESTRISE 2026では、同社がAIGID(一般社団法人社会基盤情報流通推進協議会)と連携して参画・推進し、今後ローンチを予定している森林オープンデータプラットフォーム「JOFDAP」を披露した。
これまで行政機関を中心に保有・利用されていた森林資源情報等のオープンデータ化が進展してきたことを踏まえ、各種データを広域かつ一元的に集約・提供することで、データの利活用や高度な分析を容易にする。JOFDAPは、森林に関するオープンデータを搭載したWeb-GISであり、インターネット環境があれば誰でも手軽に利用でき、森林の資源情報や多面的な機能の可視化を通じて、誰もが森林の価値を理解、活用できる社会の実現を目指している。
DATA
非打撃・非破壊で
木材強度をデータ化
株式会社坂本電機製作所
株式会社坂本電機製作所のブース
株式会社坂本電機製作所は、福岡市に本社を置く電子応用機器・産業用制御機器メーカーである。精密機械や各種制御計測機器の分野で培ってきた技術力を基盤に、スマート林業の普及と森林資源の持続的な利活用を支える技術開発に取り組んでいる。同社が提案する製品が、携帯型木材強度評価器「WoodEcho(ウッドエコー)」だ。
「WoodEcho」は圧電素子を活用した音速計測技術により、木材を打撃することなく非破壊で音速を測定し、ヤング係数を推定する。ワンボタンの簡易操作で測定でき、測定結果から木材のJAS規格に準じた強度等級まで表示できる点が大きな特長だ。また、伐採前の立木から丸太(原木)、加工後の製材品まで幅広く測定でき、立木段階での早期選別や製材工程における品質管理への活用が期待される。木材の強度を数値として可視化することで、国産材の品質評価や、適材適所での木材利用を支援し、森林資源の有効活用を通じた循環型社会の形成に貢献する。
DATA
文/フォレストジャーナル編集部













