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【森林計測手法②小型ドローン&無人ヘリコプター】立木や地形情報の高精度データの取得が可能!

森林資源のリモートセンシング調査は、スマート林業の広がりを大きく後押ししている。最適な計測方法は何だろうか。今回は、「小型ドローン&無人ヘリコプター」の特徴をリポートする。

関連記事▶【森林計測手法①航空レーザー】広範囲の計測で力を発揮! 傾斜や凸凹な地表データの計測にも最適

高精度データ取得。
スポット計測にも対応!

森林計測で近年、利用が広がっているのが小型ドローン。飛行時間が15分や30分などと短いスポット的な計測にも対応する。航空機よりも低い高度を飛ばせるため、精度が高い三次元データを生成できるのが特徴だ。ドローン自体の低価格化や高性能化、撮影データ解析用ソフトの普及なども相まって林業事業体による導入例も各地で出ている。飛行経路の設定や操縦、解析ソフトの使用方法などを学べる講習会も全国で開催されており、今後も森林計測分野での利用が広がりそうだ。

ドローンによる計測には以下の2つがある。
●機体搭載カメラで撮影した空撮画像を解析する方法
●機体から地表に向けて飛ばしたレーザーパルスの反射を解析する方法

カメラ撮影の画像から材積などの森林情報を取得するには、空撮画像の歪みを補正するオルソ化や樹木データの点群解析などの処理を専用解析ソフトによって行うことが必要だ。

一方、レーザー型は点群データを最初から得られるため、点群解析は不要。カメラ型と比べて集計時間を短縮できる。しかも有人飛行機よりも低高度を飛ばせるため、1平方メートルあたりのレーザー照射数が100~400点と非常に多く、レーザーが届けば枝葉の下の地表の情報も得られるのが特徴だ。

難点は搭載するレーザースキャナが高額なこと。カメラ型と比べると初期投資が大きく、現状では一般の林業事業体には手を出しにくい存在と言えそうだ。

とはいえドローンは、従来の有人ヘリよりも低高度を飛行できるため、立木や地形情報の詳細な計測が可能なのは大きな強み。中には、ドローンよりも広範囲の計測に適しているなどの特色を持つ無人ヘリにレーザースキャナを搭載した森林計測サービスを提供する企業も現れている。
 



 
例えばこんなサービス
ヤマハ発動機「RINTO」

産業用無人ヘリコプターに業界最高水準の最新鋭LiDARを搭載。自動航行システムを利用し、長時間、安定的に飛行し、対象森林全域の計測を行う。地形に追従しながら、低空、低速で、広角にレーザを照射するヤマハ発動機独自の計測技術により、上空からの計測だけで、幹や地表面など、森林内部まで高密度の点群を獲得する
広範囲の森林に対して、効率的かつ精度の高い計測を実現する。


文:渕上健太
イラスト:岡本倫幸

FOREST JOURNAL vol.22(2024年冬号)より転載

 

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