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【森林クレジット活用の手引き】創出・販売までの流れを理解しよう!

温室効果ガスの排出削減量や吸収量を、「クレジット」として販売するJ-クレジット制度。森林分野でも「森林由来のJ-クレジット(森林クレジット)」の創出・販売が本格化しつつあるが、さまざまな手続きが必要だ。「森林経営活動方法論(FO-001)」にフォーカスして、そのプロセスを整理する。

<目次>
STEP1 準備
STEP2 計画
STEP3 妥当性確認
STEP4 登録申請
STEP5 プロジェクトの実施
STEP6 モニタリング算定
STEP7 モニタリング報告書
STEP8 検証
STEP9 認証申請
STEP10 販売、移転・無効化

 

森林活動経営方法論(FO-001)とは
森林法第11条の規定に基づく森林経営計画を作成し、一定のまとまりを有する区域を対象として、中長期的な視点で森林経営(森林の施業及び保護)を計画的に実施することにより、森林が貯えている炭素蓄積の増加分を吸収量として算定するもの。

 

STEP1
準備

まずは、下記の適用条件等を満たしているかを確認

❶ プロジェクト計画の登録は森林経営計画単位で行うこと
❷ 主伐実施地を含む場合は「(吸収見込量-排出見込量)>0」
❸ 間伐の実施を1箇所以上計画すること
❹ 土地転用が計画されていないこと
❺ 永続性の担保

上記がクリアできたら、森林所有者など権利所有者の同意取りつけ(覚書の締結・説明会の実施など)を行う。

STEP2
計画

プロジェクト計画書を作成する。作成の支援制度もあるので、支援条件を満たすか確認してみよう。申請には他にも8種類の関係書類が必要となるため、制度事務局のウェブサイトを要確認。

STEP3
妥当性確認

審査機関がプロジェクトの妥当性を確認。75万円~100万円程度の審査費用がかかるが、その一部は支援も受けられる。

STEP4
登録申請

制度管理者に対して必要書類を提出し、プロジェクト登録の申請を行う。認証委員会による審議を経て、承認されたら正式にプロジェクト登録が完了。(登録可否決定の目安:登録申請の受理日から10週間以内)

プロジェクトの登録完了!
認証対象期間(8~16年)スタート

STEP5
プロジェクトの実施

森林経営計画に基づき、森林の施業や保護(森林病害虫の駆除及び予防、鳥獣害の防止、火災の予防、境界確認、森林の巡視)を実施する。

STEP6
モニタリング算定

吸収量の算定に必要なデータなどを入手。プロジェクトを実施したことにより達成できた排出削減量や吸収量を計測する。

STEP7
モニタリング報告書

モニタリング結果を踏まえ、モニタリング報告書を作成する。

STEP8
検証

審査機関によりモニタリング報告書の検証が行われる。検証には平均60万円~100万円程度の審査費用が必要となるが、その全額の支援が受けられる。最新の情報は制度事務局ウェブサイトを確認しよう。

STEP9
認証申請

制度管理者に対して必要書類を提出。認証委員会による審議を経て、クレジットの認証が行われる。
(認証可否決定の目安:認証申請の受理日から10週間以内)

クレジット発行完了!

STEP10
販売、移転・無効化


クレジットを販売し、クレジットの移転・無効化を進めよう。
※ 移転:J-クレジット登録簿上でJ-クレジットの保有者を変更すること。
※ 無効化:J-クレジット登録簿上でJ-クレジットを無効化口座に移転し、オフセット等で使用するクレジットの再販売・再使用ができないよう無効にすること。

CHECK!
認証対象期間終了後も行うこと

●累計吸収量の報告
認証対象期間終了後、翌々年度の6月30日までに、森林状況、吸収量の累計の報告を行う。

●永続性の担保
認証対象期間中(8~16年)、および期間終了後10年間は、永続性の担保として右記のような手続きが必要となる。
・森林経営計画の提出
・森林の状況の報告 etc..
・再造林モニタリング期間中の土地転用などへの対処

DATA

参考:林野庁 森林由来J-クレジット創出者向けハンドブック Ver.1.0(2023.3.31)


文:福地敦
イラスト:岡本倫幸

FOREST JOURNAL vol.22(2024年冬号)より転載

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