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森林調査の省力化へ!スキャン時間の半減など、「OWL」が大幅アップデート!

林地の現状をシンプル操作で三次元的に可視化できる地上レーザー型計測機器「OWL」。サービス開始から8年目を迎える中、スキャン時間が従来型の半分に短縮された「OWL200型」が発売された。注目の新モデルの使用感をベテランユーザーに聞いた。

性能向上&小型軽量化

アドイン研究所の地上レーザー型計測機器「OWL」から、大幅なアップデートが加えられた「OWL200型」が発売された。最大の特徴は、搭載するレーザースキャナの高性能化で1地点当たりの計測時間が従来の45秒から22.5秒に半減されたこと。開発したアドイン研究所によると、これにより、例えば1haの林地の計測時間は標準条件(スキャン回数120回、次地点への移動時間30秒)の場合、従来モデルの約150分から104分程へ約45分短縮された。

さらに、新しいレーザースキャナの特性により、樹高はより高くまで、範囲はより広く計測が可能になっている。また、本体サイズの見直しなどで、総重量は従来型より約20%減の3㎏未満と、小型軽量化も実現させた。

新型OWLはココが変わった!

スキャン時間が半分に!
従来45秒を要していたスキャン時間が、半分の22.5 秒に。これにより1ha計測は約45分の時短となる。

※1スキャンあたり22.5秒、次地点の移動に30秒を要し、120スキャンを行った場合の従来機との比較。

 

より高く&広範囲まで計測可能に!
スキャン時間が半分になっても、計測性能は従来型と同等以上。新しいレーザースキャナの特性により、樹高はより高くまで、範囲はより広く計測が可能になった。

 

さらに小型・軽量で、利便性もUP
OWL本体はひと回り小さくなりさらに軽量化。一脚フォークも小型軽量化。総重量は従来機より約20%減の3kg未満で可搬性が向上。手元リモコンをバッテリベースに標準装備するなど、利便性もアップした。


ベテランユーザーも高評価

基本性能が大幅アップした新型OWL。森林経営コンサルタント会社である鳥海フォレストの森林施業プランナーで、OWL使用歴6年の塩谷政人さんは「計測スピードが早いので、調査できる範囲が広がりました。天候や地形にもよりますが、1日で3~4haはいけます。計測員の評価も上々で、1日5ha達成に向けてモチベーションが上がっています」と話す。

地上レーザー型のOWLは、やぶが多い場所では計測精度が落ちてしまう。塩谷さんは「春の芽吹き前と晩秋の落葉期にどれだけ調査できるかが毎年重要。人手不足もある中、スキャン時間の短縮化は大きなメリットです」と評価している。

林況を数値化するために必要な樹高値については「測定器具では手間と時間がかかり、どうしてもベテランの目視に頼りがちな部分がありました。新型OWLではレーザーの照射距離が大幅に改良されて、最大で約35m取得できています。なかなか現場に足を運べない人にも森林の状態をデータや3D画像で詳しく説明できるので、幅広い世代が山林に興味を持つきっかけになれば」と期待を込める。

ポイントクラウド表示(受光強度)

ポイントクラウド表示(カラー化)


「プラスアルファの施業」へ

OWLによる計測データは専用ソフトウェア「OWLManager」で解析・集計することで、点群データ(ポイントクラウド)を活用した三次元的な立木位置図作成360度画像による林内可視化が可能になる。鳥海フォレストはこうした機能を事業体による森林経営計画の策定支援や集約化施業に向けた山主への説明に役立てている。

さらに塩谷さんが目指すのはOWLを使った地域森林の付加価値づくりだという。「羽黒山スギ並木保全とまちづくり協議会において、OWLを活用したプロジェクトを提案し、高評価を得ています。他にもJクレジットの申請書類や山主の利益のためにどんどんOWLを活用していきたい。プランナーにとって数字は最強のツールですから」。

進化を続けるOWLの活用はこれからも全国で広がりそうだ。

 

PROFILE

株式会社鳥海フォレスト 森林施業プランナー

塩谷政人

 

問い合わせ

株式会社アドイン研究所
TEL:03-3288-7835
MAIL:owl@adin.co.jp

Sponsored by 株式会社アドイン研究所

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