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行政・林業現場に届け、この技術。スマート林業を実現する《森林GISサービス》とは?

森林情報を関係者間で共有できていない、都度メールで作業効率が悪い、帳簿も図面も形式がバラバラ、データ同士の連携ができない、といった数々の森の悩みを解決し、効率的に情報を利活用する『PCFIMaS』の実力とは?

スマート林業を実現する
森林GISサービスがある

道路や鉄道、河川、港湾、空港など、様々な社会インフラに関わるエンジニアリングサービスを提供するパシフィックコンサルタンツが昨年の2022年、創立70周年を迎えた。パシフィックコンサルタンツの歴史は、いわば日本の建設コンサルタントの歴史そのものである。

例えば、1982年に本坑貫通した世界屈指の設備『関越自動車道・関越トンネルプロジェクト』。100年に一度の『渋谷再生プロジェクト』。大本山永平寺の唯一無二の樹齢500年の『五代杉保全・継承事業』など、パシフィックコンサルタンツは多彩で高い技術を有する専門家集団である。

手掛ける事業は幅広く、企画・立案、調査、計画、設計、施工管理、維持・管理、デジタルサービスといった「街」のインフラのほか、「森林」のインフラも手掛ける。国土の2/3を森林が占める日本において、森を保安することによって災害を防止し、カーボンニュートラルの実現や生物多様性確保が可能になる。
 

 
さらにパシフィックコンサルタンツは、川上から川下の情報共有によって、効率化・高付加価値化を目指すサプライチェーンを構築し、林業を成長産業化する支援を行っている。今回、フォレストジャーナル編集部が注目したのは、パシフィックコンサルタンツが開発したスマート林業を支援する『PCFIMaS(ピーシーフィーマス:森林GISサービス)』である。
 

PCFIMaSをひと言で言うなら、森林・林業のDXを実現するための “部品”群である。数あるPCFIMaS内の “部品” を、行政や森林組合等の顧客の要望に合わせてカスタマイズし、より有益なサービスとして提供する。

PCFIMaSの歴史を振り返ると、パシフィックコンサルタンツ社内で開発がスタートしたのは20年以上も前に遡る。今から約20年前といえば、森林法(森林・林業基本法)が改正され(1998年)、全ての市町村が市町村森林整備計画を策定することになった時期である。

また、地域それぞれの実情に即して森林所有者等に対する指導や監督を進めるため、森林整備に関する行政の役割が強化された時期とも重なる。


2011年の森林法改正では、無届伐採に対する伐採中止命令や造林命令、所有者不明森林における施業代行、新たに森林所有者となった者の届出等の制度導入など、時代とともに多数の制度改正が行われてきたが、PCFIMaSは改正が行われるたびに大きな進化を遂げてきた。

行政等で使用される “部品” はほぼ全てを網羅し、木材市場と取引状況の共有も可能だ。

具体的な取引金額を見てみると、福島県いわき市の認証材では、PCFIMaS導入当初は取扱材積300m3だったのが、2020年には1,200m3と4倍も増加した。
 

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