下刈り作業の基本を復習しよう! ベテランフォレスターが教える6つのポイント
2020/09/01
まずは、しっかりした安全装備。そしてよく切れる刃を準備する。作業は右から左へ移動しながら刈払うのが基本となるので、複数人で現場へ入る時は、各自が持ち場を決め必要以上に近づきすぎないように十分注意しよう。
草の刈り方
下刈り機は刈払機とも呼ばれるように機械を振りながら作業します。草は右から左に振る時に刈るようにします。左から戻す時に草を刈ってしまうと、刈った草が飛び散ったり飛び石が向かってくることがあり危険です。
疲れない刈り方
機械はあまり大きく振り回さないようにします。ブンブンと180度も振り回すのはよくありません。傾斜に応じて振り幅(刈り幅)は変わってきますが、無理のない範囲で身体の前で使うようにします。
また、腕を伸ばして振り回すとすぐに疲労してしまいます。草は回転する刃が刈ってくれます。脇を締め腰の回転で刈払うのが疲労せずに作業できるコツです。
歩き方のコツ
移動する歩幅はもちろん傾斜にもよりますが、複数回刈り払った後、大股にならないように歩きます。回転する刃に不用意に足を近づけないようにしましょう。
刈りながら端まで行ったら、機械を止めてまた反対の端まで戻ります。逆向きに刈らないようにするためと、刈払機の連続作業を避けるためです。
上下作業の禁止
複数人で斜面を刈る時は上下に重ならないように注意することが肝心です。作業開始前に自分が刈る範囲、持ち場を決めて、できるだけ作業者が等高線上に並び、刈り進めていくようにします。
刈り刃を長持ちさせるコツ
せっかく切れる刃を用意したのに、石に当てたり地面に当ててしまってはすぐに切れなくなってしまいます。もちろん予備の刃を準備しておくのは当然のことですが、やはり刃は大切に扱いたいもの。地面ギリギリに刈りたくなる気持ちはわかりますが、刃を痛めないようある程度高さを保って刈ることを意識しましょう。
熱中症に気をつけて!
下刈り作業は暑さとの闘いです。周りのペースに引きづられないように、焦らずマイペースを心がけましょう。喉が乾いてから水分補給をするようでは遅いです。少しずつこまめに水分補給を行い、十分な休息をとりながら作業を進めてください。
PROFILE
梶谷哲也
奈良県黒滝村森林組合で20年以上現場作業に従事。現在は主に高所、樹上伐採を担当。15年以上、林業現場の情報を更新している。ブログ「出来杉計画」も運営中。
文:梶谷哲也
FOREST JOURNAL vol.4(2020年夏号)より転載