安全対策製品の老舗メーカーが林業向け製品ラインナップを拡充。日本人向けの着用感を徹底追求!
2025/03/27

アクティブな動きへの対応が求められる林業用の個人用防護具。安全性に加えてフィット感と軽量性が欠かせない。そこで国内老舗メーカーが新たに開発したのが「日本人向け」の着用感を徹底追求した防護ギアだ。
日本人の身体にフィット!
現場での作業性も良好
「国産の林業用ヘルメットが少ない中で、高所作業でも使用でき、さらに日本人の頭にフィットする製品がほしいという林業関係者の声を受けて開発がスタートしました」。創業73年のミドリ安全の担当者は、林業用ヘルメット「SC-23」の狙いをこう話す。
「SC-23」は、高所作業に必要な墜落時保護用の規格に対応。国内向けに設計されており、海外製品と比べて軽量化も実現している。イヤーマフとメッシュ面はともに専用部材でフィット性が高い。視界を確保しやすいバイザー形状、片手で操作できるダイヤル式ヘッドバンド、前後の重心バランスに配慮した耳あご紐など、随所にこだわりが投入されている。
耳の周りが開けた形状で、イヤーマフ着用時の干渉を防ぐ。
チェーンソー用保護手袋「MT-C」も日本人向けに設計された製品のひとつ。怪我の危険が高い左手甲部分にチェーンソー対策安全靴と同じ素材の繊維を内蔵して「クラス1」の切断抵抗性能を実現させた。
内蔵の切断防護材がチェンソー内部に絡みつき、回転を止める。
「生地を厚くすると強度は出ますが作業性やフィット感が劣ります。また防護素材を入れる部分の面積が小さく、ISO規格への適合が難しいなど、さまざまなハードルがありました。そこで柔らかく耐久性のあるヤギ皮を使うなど、日本人の手の形や握力に合うように仕上げました」(同社)。指先部分は薄くて柔らかく、力が入る部分は二重補強にするなどの工夫でフィット感と耐久性を両立。高所での枝打ちやロープクライミングにも使いやすい設計だ。
そして昨年、ヘルメットやグローブとともに同社のラインナップに加わったのがクラス1相当の切断抵抗性能を持つチェーンソー対策安全靴「V9830C」だ。安全性と足首部分の屈曲性、斜面でのグリップ力、軽量性と日本の現場で求められる機能を盛り込んだ。
しなやかな高い屈曲性。ゴム一層の靴底で土離れが良く、山林でも高い耐滑性を発揮。
「全国650人の営業担当がお客様のニーズを汲み取り、今回のように、現場に最適な製品を形にできるのが弊社の強み。今後もニーズに合わせた林業用製品を作っていきます」と同社。老舗メーカーの新たな商品展開に要注目だ。
DATA
ヘルメット SC-23
墜落時保護用の規格に対応。通気性・断熱性を考慮した衝撃吸収ライナーを内蔵する。専用イヤーマフやメッシュ面とのフィット性を考慮した構造で、快適な装着感を実現。
チェーンソー用防護手袋 MT-C
左手の甲部に切断防護材を内蔵(EN ISO 11393-4:2019クラス1に適合)。日本ユーザーを想定した柔軟性とサイズ展開が魅力で、手のひらには丈夫で手になじみやすいやぎ革を使用。
チェーンソー対策安全靴 V9830C
厚生労働省の「チェーンソーによる伐木等作業の安全に関するガイドライン」に準拠した、日本製初のチェーンソー対策安全靴。JIS規格(超重作業用)に合格した鋼製先芯を搭載。
撮影協力
株式会社湯川林業
今回開発されたチェーンソー対策安全靴「V9830C」の現場試験に参加した湯川林業。神奈川県足柄上郡山北町を中心に、関東地方全域にて伐採工事を行っている。
問い合わせ
ミドリ安全株式会社
TEL:03-3442-8293(フットウエア営業部)
文:渕上健太
写真:松尾夏樹
FOREST JOURNAL vol.23(2025年春号)より転載
Sponsored by ミドリ安全株式会社