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悪路をも切り拓く! 林業専用機ならではのパワー&安定性で頼れるマシンの新型とは?

福島県南相馬市で素材生産業を営む「山英林業」の男たちの右腕として大活躍! 安定度が約16%UP、13tクラスと同幅でパワーアップした『SK165SR-7F』の実力を現場で見せてもらった。狭く粗い不整地でもぐんぐん進む…!?

どうしても欲しい!
ワンクラスの上の林業専用機

「シンとした静謐な山の現場で、空に向かって高く伸びる木が、イメージ通りに地上に倒れていく姿を見ると、心底嬉しくなります」。

そう話すのは、伹野英紀さん(55歳)。所属していた林業事業体から独立し、福島県南相馬市で素材生産業「山英(さんえい)林業」を起業したのは8年前。「山」という字に、優れて美しいの意味を持つ「英」と書く「山英林業」は、年間4,000㎥の作業を請け負う。メンバーは、伹野さん他、この道10年のベテランオペレーター吉田拓矢さん(34歳)と山田大貴さん(27歳)。


取材当日の現場である福島県双葉郡富岡町の山林にて、山英林業のみなさん。左から、山田大貴さん、伹野英紀さん、吉田拓矢さん。

3人で「作業道造り」「造材」「運搬」と役割を明確に分担しながら、見事なチームワークで柔軟に業務に取り組む。そして、もう一人の最強なメンバーがコベルコ建機の林業専用機「K-FOREST」である。

「購入する前は同シリーズの13tクラスをリースしていましたが、昨年販売された16tの新型『SK165SR-7F』がどうしても欲しくってねえ。欲しいものは欲しい! だから買う。駄々っ子と一緒です」と伹野さんは笑う。

13tクラスより高額でも、作業効率性と安全性を考えれば高くはないと言う。
 

 

無限軌道で走行する
次世代林業をリードする新型機

伹野さんが魅了された最大のポイントはその安定性。13tクラスの『SK135SR』と比べ、約16%も安定度が向上した。

専用のトラックフレームを採用し、専用の走行モータを備えて抜群の走行安定性を実現。不整地で地盤がゆるい場所でも、専用のクローラフレームと走行モータにより、エンジン動力が起動輪に伝わってクローラの芯金と噛み合い、転輪、遊動輪を回転させながら無限軌道で走行する。さらに抜群の走行性能にプラスし、急勾配では高い登坂性能を発揮する。力強く、頼れる一員だ。


78.6kWの高出力新型エンジンの搭載で、高いパフォーマンスを発揮。またアタッチメントへの流量の向上で、さまざまな作業をストレスなく行える。

しかも、全幅は13tクラスと変わらない2,490mm。日本の林業現場の狭い林道でも小回りが利くうえ、左右のクローラ操作に応じて最適な作業油量を分配するため、狭い林道や土壌でのスムーズな旋回が可能だ。さすが次世代の林業をリードする新型機である。

CHECK!

 
『SK165SR-7F』の小回りの利く車幅が作業性をUP! 左右のクローラ操作に応じて最適な作業油量を分配するため、岩石が多く現れた難路であった本現場などの狭い林道や土壌でもスムーズな走行・旋回が可能だ。


 
>>SK165SR-7Fをもっと詳しく知る!
 


ベテランオペレーターの吉田さんは言う。

『SK165SR-7F』があれば、1人ですべての作業道造りが可能です。ガッチリ自重があるので、大きな木を伐る際、横転リスクが減る安心感があります。最低地上高が50cmあるので、切り株も容易に越えられ、走行時のストレスが大幅に減りました」。

高性能林業マシーンは日々進化し、作業が効率化し、身体への負担も大幅に軽減されています。とはいえ、相手は自然です。私は19歳で林業の世界に入り、コベルコ歴は5年ですが、事故が起こる主原因はヒューマンエラーですから、自分を過信しないよう常に肝に命じています」。

未来の日本の林業を背負う若手の山田さんは「早く現場に慣れ、吉田さんのようなオペレーションができるよう、全力で目の前のことに集中します」と意気込む。その言葉を聞いた伹野さんも、「将来、ぜひもう1台、欲しいですね。1人1台が目標です」と少年のような目で未来を語る。

山英林業を構成する3人+『SK165SR-7F』は、あうんの呼吸でメンバー同士が互いの強みを高め合いながら、1人では達成できない大きな目標に向かう。

今日の現場となったのは、2011年の東日本大震災で全町避難を強いられた福島県富岡町。震災から12年が経過し、山英林業の3人の男たちと次世代林業をリードする新型コベルコ機『SK165 SR-7F』は、日本の林業の夢と希望を背負って力強く前に向かって進んでいる。
 

 

DATA

SK165SR-7F
●標準バケット容量(山積):0.5㎥
●定格出力:78.6kW(ファン付き)
●旋回速度:11.0min-1
●走行速度:1速2.4km/h、2速4.7km/h
●登坂能力:70%(35度)
●最大掘削力:バケット105.4kN、アーム64kN
 

問い合わせ

コベルコ建機日本株式会社

千葉県市川市二俣新町17番地


取材・文/脇谷美佳子 写真/松尾夏樹

FOREST JOURNAL vol.17(2023年秋号)より転載

Sponsored by コベルコ建機日本株式会社

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