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木質バイオマスが注目される「5つの理由」って?【後編】燃料自給率や災害、地域活性化に

木材からなるバイオマス=木質バイオマスが注目されているが、その理由はどこにあるのだろうか。木質バイオマスを利用するメリットを、林野庁『木質バイオマスの利用推進について』を参考に紐解いてみる。

 
理由③

国産エネルギーを
産出

世界有数のエネルギー消費大国・日本。エネルギー資源のほとんどを輸入された化石燃料に頼っており、先進国の中でもエネルギー資源の海外依存度が特に高い。

特に東日本大震災後、エネルギー自給率は震災前に比べ10%も下がり、近年は上昇傾向にあるが、依然として先進国の中でも最下位にほど近い、低い水準にある。エネルギー源の多様化やリスクの分散として木質バイオマスエネルギーの利用を広げていく必要がある。

令和3年木質バイオマスエネルギー利用動向調査(速報版)では、間伐材や林地残材を用いた木材チップの利用量が年々増えている。燃料を自国で調達できる地産地消のエネルギー源としての利用が期待される。



理由④

自然災害を起こさない
森林整備の実現

日本では戦後につくられた人工林が樹齢50年を迎え、伐採期に入っている。しかし、所有者の高齢化や森林管理者の減少で放置されたままの森林が多く、土砂崩れなどの大規模な自然災害の原因に。

今、森林に眠っている未利用の木質バイオマスの価値が高まれば、森林経営にもよい影響を与え、森林整備を適切に行うことが可能になる。



理由⑤

山村地域の
活性化

未利用材などの木質バイオマスを活用した地域循環型の再生可能エネルギーの導入は、新しい産業と雇用が生まれ、山村地域の活性化にも貢献する。

木質バイオマスエネルギーの地産地消に取り組む群馬県多野郡上野村では、村内の森林整備で伐採・搬出した木材のうち、製材に利用できない曲がり材や小径材を村内の工場でペレットに加工し、年間1300tを生産。

村内でボイラーやストーブの燃料として使われるとともに、2015年からは木質バイオマス発電にも利用している。村内で調達できる木材の量を考慮した小型の木質バイオマス発電施設で、発電出力180kW、熱出力270kW、ペレット使用量約930t/年。

発電施設には、きのこを栽培するきのこセンターが併設され、電力のほか、冷暖房用の熱も利用されている。きのこ生産により約50名の雇用を確保、木質バイオマスエネルギーの地産地消の取組全体で約150名の雇用が創出されたという。

山村地域活性化の実現事例!


文:後藤あや子

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