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新たな視点から考えよう! 変化し続ける森林サービス産業への期待とは?

森林サービス産業の後押しをする『ぎふ森のある暮らし推進協議会』、参加者はどのような思いや背景をもって協議会に飛び込んだのか、4者に聞いてみた。

メイン画像:株式会社山共が提供する森林レンタルサービス「forenta」東白川エリアにて

 

巻き起こるイノベーション
参加者の期待

岐阜県で本格的にスタートした『ぎふ森のある暮らし推進協議会』。

県単位でまとまった森林サービス産業の協議会が立ち上がるのは全国初。森林サービス産業とは、森林空間を健康・観光・教育等の多様な分野で活用すること。岐阜県は森林サービス産業に力を入れ、山村地域の振興をゴールに情報発信やセミナーの開催を行っている。

実際に協議会に出席した参加者は、どんな未来を期待しているのだろう。

株式会社山共

素材生産、造林、製材・加工業
問/株式会社山共

Q 参加のきっかけは?
2020年に森林レンタルサービス「forenta(フォレンタ)」を立ち上げ運営し、事業も軌道に乗り始めた中、今後は異業種との連携が必要と考えていた時期だったので参加しました。

Q どのような期待がある?
これまでの森林サービス産業では、あくまで民間企業(もしくは個人)がそれぞれに森林を使った事業や取り組みというものに留まっており、横のつながりはほとんどなかったように思います。
協議会ができ、情報交換や研修を通して事業者間の連携やスタートアップ企業の支援につながればと思うとともに、一者では解決が難しかったルールづくり、または保険事業など外部環境の整備が進むことを期待しています。また他県での森林サービス産業の普及にまでつながると良いですね。

Q 普段の仕事にどんな影響が起こりそう?
県全体で取り組むことによるイメージ戦略は自社の業務にも良い影響をもたらしてくれると思います。また私たちの業務は集客のみならず、「自然」というリスクコントロールが難しいフィールドでいかにスムーズにサービスを展開できるか、に多くの時間や手間を割きます。そういった部分でも多くの知恵を集めて、より高度なリスクコントロールができるようになれば、自社の業務にとっても価値があるものになると言えます。

 


株式会社丸光イトウ

素材生産、造林、造園、リサイクル業
問/株式会社丸光イトウ

Q 参加のきっかけは?
トレンドでもある森林サービス産業、まずは参加してみよう!と思いました。

Q どのような期待がある?
素材生産など普段の林業だけだと限られた視野になってしまいがち。林業×○○業×○○業 など、思いもよらない新しい掛け合わせで、新たなビジネス展開が望めるのではないか、そんな期待をしています。

Q 普段の仕事にどんな影響が起こりそう?
新しい展開となれば、通常業務にとどまらず会社として新しい価値が生まれ、新しい人材の雇用にも繋がります。相乗効果で社員のモチベーションアップとしたいですね。

株式会社金山チップセンター

森林整備、植林、木材チップ生産・販売、製材業
問/株式会社金山チップセンター

Q 参加のきっかけは?
飛騨南部に構える金山チップセンターには社有林があり、林業以外での活用方法を模索していたところ、本協議会が発足することを知り参加することにしました。

Q どのような期待がある?
企業・事業体・個人問わず、森林を利用したい側/利用してもらいたい側それぞれの要望を吸い上げ、情報を共有・意見交換できる場が作られればと期待しています。対面・オンラインのどちらかでも良いですし、そのPRする場の情報も得たいです。

Q 普段の仕事にどんな影響が起こりそう?
弊社では木材チップや薪、広葉樹の販売、森林整備、木くずのリサイクル事業など幅広く手掛け「林業による積極的な生産活動が継続的に行われることこそが、森林資源を護っていくこと」と考えていますが、自社所有林を林業以外での活用を目指しており、これも含め持続的な林業経営に繋がればと思います。

加子母森林組合

森林組合
問/加子母森林組合

Q 参加のきっかけは?
もともと組合として森林での癒しに関心があり、関連してキャンプ場を運営しています。しかし、コロナ禍を経て集客が落ち込むという壁に当たっており、その対策を練るべく参加しました。自然や文化をテーマにしてキャンプ場を中心に地域全体に人を呼び込むため、また、川上、川中、川下の交流を図り、森林をより理解する良い機会と考えています。

Q どのような期待がある?
いろいろな分野から、お互いの立場を理解した上での意見を聞き集約して事業に活かしていきたい。個人キャンプの誘致など、地域の森林を使って今できることをどれだけ多くの人に伝えていけるかに期待しています。

Q 普段の仕事にどんな影響が起こりそう?
協議会の参加・協同の結果、地域の認知度が上がり、キャンプ場や木工製品を販売するモクモクセンターがもっと盛り上がれば、集客による経営の安定が見込めると考えています。ひいては森林の役目を理解する手段として森林サービス産業が成り立てばと思います。

 


問/ぎふ森のある暮らし推進協議会


FOREST JOURNAL vol.16(2023年夏号)より転載

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