森林の可能性が広がる予感! 親子で楽しむ「ワデュケーション」とは?
2020/12/01
株式会社かいはつマネジメント・コンサルティング、一般社団法人森と未来の2社は、林野庁事業の一環で10月30日〜31日の2日間、子育て世代を対象とした新たな森林体験コンテンツ「ワデュケーション」のモニターツアーを開催した。
つたえる、感じる、つながる
森林×SDGsプロジェクト
林野庁は「令和2年度 つたえる、感じる、つながる、森林×SDGs プロジェクト事業」と題し、森林の新たな可能性を模索している。事業の中核を担うのは、株式会社かいはつマネジメント・コンサルティングと、一般社団法人森と未来。森林空間を活用した教育イノベーション調査やモニターツアー、中高生を交えたワークショップなどを行う予定だ。
親子で楽しむ森の時間
ワデュケーションモニターツアー
その第一弾が「親子で楽しむ森の時間 ワデュケーション体験ツアー」だ。「ワデュケーション」とは、「ワーク(労働)」「バケーション(休暇)」「エデュケーション(教育)」を組み合わせた造語。コロナ禍を契機に注目が集まる「ワーケーション」に森林環境教育の視点を組み合わせ、子育て世代が取り入れやすい企画にアレンジした。
山梨県北杜市の「白州・尾白の森名水公園 べるが」を拠点に行われた1泊2日のツアーには、一般公募で選ばれた親子3組が参加した。森林セラピストの小野なぎささん監修の森林浴でスタートした初日、緊張した面持ちの子どもたちも五感をフルに使った森林体験ですぐに打ち解けた。
大人がテレワークをする間、子どもは別室で工作に挑戦。初めて手にする道具を器用に使い、木の実や落ち葉で作品作りに没頭する姿は自信に満ちあふれ、完成した作品に保護者は驚きと喜びの声を上げた。
また、2日目はきのこの収穫や羽釜炊飯、木工クラフトを親子で体験し、地元農家や作家と交流を楽しんだ。
森林空間の活用が
都市と子どもの未来を拓く
同企画を手掛ける株式会社かいはつマネジメント・コンサルティングの梅永優衣さんに話を聞いた。
「都市部の子育て世代をターゲットに、森林空間を活用して生きる力を育む体験を盛り込みました。参加者からは“学校の長期休暇に合わせて滞在を楽しめそう”“移住や多拠点居住を考えるきっかけになった”などの声が届いています」。
企業のメンタルヘルス研修や観光商品の開発などにも取り組む小野さんは、「森林空間で仕事をすることの心地よさに加え、家族のあり方や生き方について気づきを得た人も多かったようです」と語る。
今回の取り組みは林野庁の事業だが、文科省もまた「生きる力」を育む教育に主軸をおき、遠隔・オンライン教育やICTを活用した学びの多様化を検討している。地球環境や人、地域に配慮したエシカルな商品・サービスに関心が高まる昨今。森林がもつ多面的な機能に目を向けたワデュケーションプログラムは、子育て世代のみならず、林業事業者と地域の未来を拓く大きな布石となりそうだ。
問い合わせ
令和2年度つたえる、感じる、つながる、森林×SDGs プロジェクト共同事業体
TEL:03-5791-5083
MAIL:shinrinxsdgs@kmcinc.co.jp
(株式会社かいはつマネジメント・コンサルティング内)広報担当︓梅永
DATA
株式会社かいはつマネジメント・コンサルティング
一般社団法人森と未来
取材・文:木下真弓(シマノタネ)