注目キーワード

イノベーション

SCMの構築で“儲かる林業”を実現へ! 重要なのは「川上・川中・川下の連携」

スマート林業やDX化によって、何を実現するのか。いま、もう一度それを再確認したい。まずはスマート林業構築コンソーシアム事務局の伊東雄生さんにお話を伺った。見えてきたのは川上から川下へと「森をつなぐ」、SCMの重要性だ。

SCMの構築によって
“儲かる林業”を

平成28年度から平成30年度までの3年間に渡って、「ICTを活用した木材SCM(サプライ・チェーン・マネジメント)システムの構築」という明確なビジョンを掲げて、さまざまな実証試験に取り組んできたスマート林業構築コンソーシアム。同コンソーシアムの事務局を務めたフォレストテクノロジーサービス株式会社の伊東雄生さんは「スマート化はSCM構築のための手段。SCMの構築なくして“儲かる林業”の実現はあり得ません」と明言する。

SCMとは、原材料が供給者によって生産され、商品として消費者に届くまでの流通過程(サプライチェーン)において、各段階が情報を共有することで経営の最適化をめざす管理手法のことだ。こと林業・木材産業においては、川上(林業事業体)、川中(製材工場やプレカット工場など)、川下(工務店など)が連携し、いかに情報を共有するかが、サプライチェーン全体の最適化の鍵を握っている。



それではSCMの構築によって、林業・木材業はどのように変化するのだろう。伊東さんは「地域ごとに理想的なSCMのあり方は異なる」と前置きした上で、次のような未来図を提示してくれた。

「まずは森林資源情報を元に、川上と川中、川下が協議し、地域全体で長期の木材需給計画を策定します。各事業体の林産計画は、これに基づいたものになるでしょう。その上で需給情報と生産情報をリアルタイムでやりとりし、計画とのズレを微調整。生産情報は運送会社とも共有し、運送工程も最適化します。またコストを削減するだけでなく、需要にフィットした材の生産や、トレーサビリティの確立によって、材価の上昇も見込めます。これがSCMの構築で実現する“儲かる林業”です」。

同コンソーシアムの試算では、上記のようなSCMの構築によってサプライチェーン全体で素材の立方メートルあたりの収益性を2000円ほど向上させられると試算する。

「川上・川中・川下が連携してのSCMの構築は一筋縄でいくものではありません。各ステークホルダーの粘り強い努力が求められます。しかしながら、決して不可能な試みではありません。コンソーシアムでの3年間の取り組みを通じて、そう確信しています」。

教えてくれた人

スマート林業構築コンソーシアム事務局
フォレストテクノロジーサービス株式会社

伊東雄生さん


文:福地敦

FOREST JOURNAL vol.6(2020年冬号)より転載

関連記事

特集企画

アクセスランキング

  1. 世界基準のアーボリスト技術と知識が学べる!アーボリスト®トレーニング研究所とは?...
  2. 雑草に悩む林業者必見! 知っておきたい刈払機の賢い選び方とは?
  3. ベテランフォレスターが徹底比較! 現場目線で語るアイテム試着レビュー【ヘルメット編】...
  4. 山から木がなくなる!? 早生樹植林の最前線を追う
  5. 森林認証制度「PEFC」と「FSC」の違いって何? 特徴や取得方法を徹底解説
  6. 〈インタビュー〉林業の魅力を現場から届けたい! 「カッコイイ林業」を目指す若者たち...
  7. ウッドショックに負けないビジネスモデルを! 成否の鍵は「木材のサプライチェーン」...
  8. メーカー担当者に聞いた! 最新チェンソーの賢い選び方
  9. 「稼げる林業の方程式」とは? 4人の林業家を通して見つけた重要ポイントを解説...
  10. フリーマガジン「フォレストジャーナル」2021年夏号 発行!

フリーマガジン

「FOREST JOURNAL」

vol.08|¥0
2021年6月発行

お詫びと訂正

 


 


Follow Me


» Special thanks! 支援者さま一覧はこちら