『きちんと応募がくる』林業専門の求人サイトRINDOがオープン! なぜ今、開設?
2024/02/28
2023年6月に林業における求人・就職支援事業『RINDO』を立ち上げた中村就さんは、求人サイト開設に向け、起業一年目をひた走っている。なぜ今、林業専門の求人事業をはじめたのだろうか?
掲載で終わらない、応募がくる
林業専門求人サイトが開設!
『RINDO(りんどう)』は2024年1月に開設したばかりの林業専門の求人サイトだ。全国の林業会社の求人情報を紹介し、就職・転職を支援する。
to 求職者
● 一地域に限らず、全国の林業求人情報を見ることができる
→ 多地域の情報を比較しやすく、検討材料が見やすい!
●「電話」「LINE」を活用して相談できる
→ ちょっとした疑問や聞きたいことをサクッと聞ける!
→ 新着求人情報がLINEで届く!
to 求人掲載企業
● 掲載料金プラン
→ 月々定額の掲載費用のみ/応募は無制限に受けることができる
● 求人が現状なくても、無料で企業情報の掲載ができる
→ PRとして企業情報を載せることで、未来の人材確保に幅が広がる
29歳の青年がなぜ、今
林業専門求人サイトを開設?
「林業現場の皆さんにどんどん接触をはかって、コミュニケーションをとっていきたい」と話す中村さん(写真左)。
現在29歳の中村さんは、これまでに企業に勤め人材支援をキャリアとし、企業の採用をサポートしていた。さまざまな業界の人材支援を行うなか、保育園・保育業界に関わることがあった。人材募集支援に加え、人材の働く場となる認可保育園の立ち上げに携わる事業で、それはちょうど2021年のコロナ禍にあたる時期のことだった。
開園にあたり、施設づくりも担うことに。園児がより木に触れる機会をと、木材をふんだんに使用した施設設計・施工を進めていたなか、突如、木材価格が高騰した。木材の使用を予定していた施工金額は1.5倍に膨れ上がり、あえなく鉄筋構造に変更せざるを得なかった。
どうしてこんな状況が起こったのか。日本には森がたくさんあるのに、木材の供給ができそうなのに、なぜだ。中村さんは「素人なりに考えた」と話してくれた。
素人なりに、と言うのには、中村さんの育った背景にある。中村さんは長野県伊那市で生まれ育ち、素材生産・木材加工業に従事する父の姿を幼い頃から見てきたが、「林業の現場」を経験していない自分は「素人」と捉えたのだった。
現場の困りごとをどうにかする
採用支援×林業をカタチに
なぜ、木材が回ってこないのか、価格が高騰しているのか。ウッドショックだと後にわかるが、これがいつまで続くのかもわからない。
そんな疑問を解決する一歩として、現場を見ることにした中村さん。4日間の林業体験を経て、あらゆる現場に足を運び、今では週3回ほど素材生産の手伝いをするようになった。現場で働く方々と話し、なぜウッドショックが起きたのかの考察を重ねた。そして、人手不足を筆頭に多くの「困りごと」を聞いた。
中村さんは、2023年12月時には週3回現場に入り、伐採、搬出を行うそうだ。
現場の困りごと、つまりは課題に対し、自分に何が出来るか。自分のこれまで培ったスキル=人材採用支援の事業イメージはすでにある。そして、林業には人が必要。それらを結び付け、自分が林業の課題解決の一助になれるのではないかと思い至り、『RINDO』を立ち上げた。何より、自身が育った風景の一部である林業が困っているということを、どうにかしたかったという。
しかし、林業の人材募集支援に一筋の光を見い出したとはいえ、これからどのように求人情報を集めていき、『RINDO』を継続させていくのだろうか。
「泥臭くやっていきたい」と話す中村さんは、全国で3,000余りある認定林業事業体そのすべてに声をかけていき、コミュニケーションをとった上で、情報を掲載していきたいと、答えはシンプルだった。
中村さんは、ウッドショックを目の当たりにした際に味わった危機感を忘れていない。当たり前と思っていたものが、突然崩れて失くなり、目の前にあるのは山積みの課題。そうなる前に全国の林業事業体に声をかけ、人手不足に少しでもブレーキをかけたいという。
林業は死んでない
前を向いている人がいる
「林業事業体の方々と話すと、何か変えて林業を続けていくんだと、諦めていない姿勢を感じます。もがいているというか、前を向いている。皆さん、林業を続けていくんだ、という気概があって、ずっと思考を巡らせているんです」(中村さん)。
サイト立ち上げに向けて、長野県の平澤林産のみなさんに協力いただいた。
林業の担い手は減少しつつも、未来はある。事業体の数も他産業と比較すれば少ないけれど、死んでいる業界ではない。業界として、生きているんだと感じたと言う。
「気候変動など解決しなくてはならない喫緊の問題もあり、あらゆる人が危機感をもって、日本の森林をどうにかしていかないといけないという機運が高まっている」(中村さん)。
自身が林業に初めて足を踏み入れた際に感じた、「情報の取りにくさ」は『RINDO』立ち上げを加速させた。どこに求人があるのか、どういった働き方ができるのか、もっともっと情報をオープンにできないか。
新参者だからこそ、林業素人だからこそ感じたことを活かしたい。そんな想いも含め、若い世代に情報をキャッチしてもらえるよう、情報発信には全力をかけ、林業の情報が目一杯つまったサイトにしたいと話す。
「『RINDO』は企業へ応募が入らないと継続できない仕組みです。各企業様へ応募が入るよう、必死に働きかけます!」と中村さん。
▶ 林業の求人を探している・発信したい
▶ いろんな地域の林業会社のことをもっと知りたい
▶ 会社情報をホームページ代わりに載せたい
▶ こんな林業をやっているんだということを多くの人に知ってもらいたい
少しでも思い当たることがあれば、『RINDO』に訪れてみてほしい。サイトからも熱意が伝わってくるだろう。
中村さんは『RINDO』創業後も継続して林業現場で働いている。取材をした繁忙期の12月には、伐倒・搬出、間伐のために週に3回、山へ入っているそうだ。新参者でも、若者でも、こんなにも林業に全身をかけてくれている人がいるだけで、林業は生きていると思えないだろうか。
問い合わせ
株式会社RINDO
中村 就さん
TEL:050-5530-0436(受付時間 10:00~20:00)
問い合わせ専用LINE:PCはQRコードスキャン画面に、モバイルはLINEに移行します
FAX:050-3172-2940
取材・文/薗部暁子
Sponsored by 株式会社RINDO