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林業者の取り組み

〈潜入レポート〉女子の目線で林業界に情報発信を! 林業女子会で挙げられた課題とは?

全国に広がる「林業女子会」のムーブメント。 女性目線で林業を語ると、様々な課題への新しいアプローチが見つかるかも? 今回は林業女子会@高知の"現場部"を覗かせていただいたので、その様子をレポートする。

林業女子会@高知の
“現場部”におじゃましました!

林業女子会@高知は、2018年に立ち上がった、林業女子会のなかでも新しい団体だ。20代から50代まで、約30名のメンバーが在籍している。ほかの林業女子会同様に参加者の職業は様々だが、2019年には林業の現場女子による「現場部」が発足。「女性目線から林業界への疑問・ヒントを投げかけていきたい」という思いで活動を始めている。
 

Q.林業女子会って?

「林業の魅力を発信すること」「仲間づくり」を目的に活動する任意団体。2010年に京都で発足し、現在全国で25の団体に広がっている。活動内容は、イベント開催、情報誌の発行、グッズ販売、勉強会、気軽なお茶会と、地域・メンバーによってさまざま。
 

Q.どんなメンバーがいるの?

加入条件は、「林業を愛しアクションする、すべての女子」。職業も年齢も不問。現在、メンバーには林業者、木材や建築に関わる人、林業ファン、学生からママまで幅広い。今回レポートする林業女子会@高知では、林業の現場で働く女子の「現場部」が発足している。
 

林業界に林業女子の目線で
情報発信を

2月、現場部では、「木の一生を知ろう」をテーマに勉強会を実施。植林・造材現場、バイオマス工場など、一連の流れを追って視察・体験した。今回は、締めくくりとして行われた意見交換会の様子を覗かせていただいた。
 


意見交換会に集まったメンバーは、林業経営者2名と、現場女子1名、研究者1名、中学生3名だ。

 
「こうして木の一生というテーマで現場の流れを追って、”林業”のなかの多様性を改めて見ることができた」と話すのは、代表の濱崎さん。
 
「女性が働く上で、避けて通れないのが妊娠や育児、介護の問題。毎日山に上がって伐採して、という働き方しか無い場合、融通をきかせることができない。でも、たとえば加工の事業があるとしたら、工場など平らな場所で作業できるし、ネットで販売するとなれば事務所での仕事も発生する。
 
1社で事業を始めるのが難しくても、同じような悩みを抱えている会社が集まれば、何かできることもあるかもしれない」(濱崎さん)。



女性の働き方を研究する佐藤さんは続ける。
 
「働き方の多様化の点からいうと、先日農業経営者の女性のお話を聞く機会がありました。その農業法人では、従業員15人中、旦那さん以外は14人が女性で、週2回、各2~3時間ほどしか働けない人も雇っているそうです。そこで核になるのは、マニュアル化。毎回いちから教えなくてはいけない効率の悪さが無いとのことでした」。
 
そこから話題は、林業におけるマニュアル化の必要性へ。論点となったのは、「現場のニーズや問題点が集めきれていない」ということ。会の終わりに濱崎さんは意気込みをこめてこう語った。
 
「これまで、川上は横のつながりがあまりなく、情報交換も少なく、改革が進んでいない。それはみんなわかっていながらも、”でもしょうがないよね”となっていたのが現状。壁は分厚くて高いかもしれないけど、自分の代で終わりではなく、自分の子供、その孫と繋いでいけるのが林業です。
 
3代後には変わっていることを信じて、この『現場部』で業界内外から意見を集めたり議論を重ねて、林業界に林業女子の目線で情報発信をしていけたらと思います」。
 

気になっている、
あんなこと、こんなこと

・実際、現場で“トイレ問題”はそこまで重要じゃない。もっと違うところにお金をかけてほしい。
林業の魅力は中学生くらいから伝えていかなきゃ
農業や、土木・建築業界の女子たちの話も聞いてみたい。
・やっぱりキツいのは機械の重さ。女性向けの商品を開発してほしい
・妊娠しても、ケガをしても働けるように、現場以外の仕事を増やしたい。1社で無理でも地域でできないか?
・男性に、女性が現場でもやっていけると感じてほしい。
間違った女性の雇用の仕方をしてほしくない。雇う側の教育が必要。
・男女に限らず、得意なこと、苦手なことをシェアしあえればいい。



PROFILE

林業女子会@高知代表
株式会社はまさき

濱崎康子さん


建設業と林業を手掛ける「株式会社はまさき」で、林業部門の代表を務める。女性経営者の目線で、林業の課題解決にアプローチする。


写真:川村公志

FOREST JOURNAL vol.3(2020年春号)より転載

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