放置森林を地域資源に! 「西粟倉モデル」のノウハウを活かした話題のコンサルティング
2020/05/13
株式会社百森が地方自治体・森林組合向けに森林管理のコンサルティング事業を開始した。コンサルティングを依頼することで、森林管理業務をスリム化し、人員を削減しつつ実行力のある体制を構築できる。今回は、同社のサービスの特徴とメリットを整理した。
放置森林を
地域資源へと変えるために
株式会社百森は、2020年4月より、全国の地方自治体・森林組合向けに森林管理のコンサルティング事業を開始した。岡山県西粟倉村を拠点に事業を展開する同社は、森林の伐採などを行わず、森林経営・管理に特化した「森林管理専門会社」だ。これまで行政と連携しながら、所有者の管理が行き届かない西粟倉村内の小規模森林を受託管理してきた。
放置森林を地域資源として再生するこの取り組みは、「西粟倉モデル」として森林経営管理法及び新たな森林管理システムの参考にもされたと言われている。今回新たに立ち上げたサービスも、同モデルのノウハウを生かしたものだ。
具体的にはまず森林所有者と地方自治体とが森林の長期施業管理委託契約を結ぶ。その上で、百森は自治体から提供された森林情報をもとに森林経営計画やさらに細かな施業プランを立案。実作業を請け負うのは地元の森林組合や林業事業体だ。
所有者への施業の説明や連絡は、百森を通じて行われる。まさに官民一体となった森林管理を後押しするサービスと言えるだろう。
百森だからこそできる
コンサルティングサービス
コンサルティングを依頼するメリットのひとつは、森林管理業務をスリム化できることだ。実際に西粟倉村では、自治体業務の一部を百森が担うことで、人員を削減しつつ実行力のある体制を構築できたという。
森林組合をはじめとする地域のプレイヤーが連携できる体制づくりや、各種データを活用した森林管理の仕組みづくりなどに関しても、豊富なノウハウを生かしてサポートする。
それ以上に同サービスの目玉と言えるのが、森林資源を生かした商品開発のサポートを受けられることだろう。
「西粟倉百年の森林協同組合」の事務局としてストーリー性の高い地域材づくりに取り組んだり、メープルシロップ採集ツアーなどの各種森林関連イベントを手がけてきた同社だからこそできるサービスだ。地域材のブランディング狙う自治体や森林組合にとって、これほど頼りになるパートナーはいないだろう。
放置森林問題をなんとか解決したい。地域の森林の魅力をもっと生かしたい。そんな悩みに応えてくれるコンサルティングサービスとして期待が高まる。
DATA
文:松田敦