【林業機械レンタル・リースQ&A】活用方法や補助金制度を確認して、賢く活用しよう!
2026/02/03
素材生産を中心に日本の林業現場で欠かせない存在になった高性能林業機械。ただ導入には多額の初期投資や安定した稼働時間の確保が必要に。そんな中でニーズが高まるのがレンタルやリースのサービス。活用方法や補助金制度を知って賢く活用しよう。
1.Q:レンタルとリースの違いは?
2.Q:料金の相場はだいたいどのくらい?
3.Q:借りるときのポイント・注意点は?
4.Q:どんなシーンでの活用がおすすめ?
5.Q:レンタル・リースに活用できる補助金はある?
6.事例紹介:事業の多角化に向けて、林業機械レンタルを活用(合同会社TRENT)
7.サービスの紹介
Q:レンタルとリースの違いは?
A:レンタルは数日単位の短期から契約でき、リースは数年単位の長期契約が一般的。リースは新品を利用できたり、メーカーや機種名を指定できたりするケースが多い。

混同しやすい用語であるレンタルとリース。
一般的にレンタルは、レンタル会社が保有する製品を不特定多数の利用者に比較的短期間、貸し出すサービス。基本的に納期が短く、途中解約(レンタル期間の変更)ができる半面、新品利用や機種指定が難しいケースが一般的だ。レンタル期間は1日から年単位まで利用者のニーズに合わせて設定できる。
一方リースとは、リース会社が新品で購入した製品を比較的長期に渡って借り受ける方式をさす。リース期間中の途中解約はできないものの、新品を利用できたり、メーカーや機種名を指定できたりするケースが多いのが特徴だ。リース会社に購入してもらった製品を有償で借り受けながら分割返済していくイメージだ。
契約年数は基本的に法定耐用年数の70%以上が条件で、例えば法定耐用年数が5年と定められている林業機械の場合、3年半以上の契約が必要。リース期間終了後に製品の残価があった場合、それを完済することで製品を買い受けることが可能なケースもある。
レンタル、リースともに最新機械を比較的手軽に導入できるメリットは共通だ。また基本的にレンタルやリース料の支払いだけで済むため、初期投資が不要で、償却費や税金、保険といったコスト計算を省力化できるのも特徴だ。
一般的に短期から中期の利用ではレンタル、長期ではリースの方が合計の費用負担が少ないケースが多い。
Q:料金の相場はだいたいどのくらい?
A:0.25クラスのグラップルで、月額25~35万円、0.45クラスのフェラーバンチャで月額45~55万円といった価格帯が大まかな相場。

レンタルやリースの料金は一般的にフォワーダ→グラップル→フェラーバンチャ→ハーベスタなど、構造や機能が複雑化するほど高くなる。
また同じ機械でもベースマシンのサイズに比例して料金も上がっていく。レンタルの場合、10日以上の利用だと一律の月ぎめ料金に移行する事業者が多く、数日など短期利用だと実質的に割高になる点にも留意したい。
事業者の価格設定や機械の状態、アタッチメントの性能などによって差があるものの、例えば0.25クラスのグラップルで、月額25~35万円、0.45クラスのフェラーバンチャで月額45~55万円といった価格帯が大まかな相場と言えそうだ。
注意が必要なのが新規の顧客と得意先で料金が大きく変わるケースが多い点だ。
機械の損傷や料金未払いといったリスクも考慮した対応だが、「同じ機械でも倍近く料金が違った」という声も聞かれる。レンタル、リース会社と地道な信頼関係を築くことは、料金面の優遇だけではなく、リースアップ(リース契約終了後に返却された製品)された中古機械の販売情報を得られるなど、さまざまなメリットが生まれそうだ。
Q:借りるときのポイント・注意点は?
A:高性能林業機械を借りる際は、近くに営業所があり、専門技術や経験を持った事業者を選ぼう。事業者ごとの料金差もあるため、相見積もりを取るといい。
複雑・高性能化した林業機械は油圧などの細かな設定で発揮できる能力や精度が大きく変わってくる。
特に樹種によって各種設定を細かく変える必要があるハーベスタを借りる場合は、専門の技術や経験を持った事業者を選びたい。またサービスマンがいる営業所が近ければ迅速なトラブル対応が期待できる。レンタルやリースを行う事業者によって得意とする機械が異なるケースがある点にも留意が必要だ。
料金面ではレンタル、リース料の他に「サポート料」や「基本管理料」などが必要になる場合が多い。このため見積りを取るときには口頭ではなく、しっかりと書面でやり取りすることが重要だ。また事業者ごとの料金差もあるため、可能なら相見積もりを取りたい。
Q:どんなシーンでの活用がおすすめ?
A:購入しても機械を休ませる時間が長くなる場合や、自社機の故障時、一度試しに使ってから新型や大型の機械購入を検討したいといった場合などにおすすめ。
例えば高性能林業機械を購入しても、稼働率が低ければそのメリットは十分生かせない。
また着工から材の搬出までに時間がかかる素材生産では、フォワーダやトラックを所有しても機械を休ませる時間が長くなる場合がある。そんなときにレンタルやリースのサービスは現場を効率的に動かす上で強い味方になる。
また自社機の故障時や、一度試しに使ってから新型や大型の機械購入を検討したいといった場合にも、レンタルやリースは有効だ。ほかに比較的安価な中古機械を購入して、必要な場合にレンタルやリースで新型機や大型機を導入する利用方法もある。経営や現場の状況に合わせて無駄なく使えるのがレンタルやリースの特徴だ。
Q:レンタル・リースに活用できる補助金はある?
A:「林業・木材産業成長産業化促進対策交付金」の「林業機械リース支援」で補助メニューが用意されている。レンタルについても補助制度を独自に設けている自治体がある。

林業機械をレンタルやリースで導入するときに検討したいのが、林業事業体向けの補助制度だ。
各都道府県が窓口となる国の交付金事業である「林業・木材産業成長産業化促進対策交付金」の「林業機械リース支援」では、「素材生産型」と「造林保育型」のそれぞれにで補助メニューを用意している。
素材生産型の場合、リース期間満了までにおおむね年間3000立方メートル以上の素材生産計画達成などの採択基準が設けられている。
各種条件によって異なるものの、例えば2000万円のグラップルを法定耐用年数の5年間リースした場合、約670万円(補助率3分の1)の補助を受けられる。
さらに素材生産実績(年間5000立方メートル以上)や機械導入後の生産性などに関する条件を満たすと、補助率が2分の1に上がる可能性もある。素材生産型では全国で毎年60件程度の補助金利用実績がある。
一方、造林保育型では、ベースマシンに取り付ける草刈りや地拵え用アタッチメントや林業用資材運搬ドローンなどが対象で、素材生産型と比べて比較的小規模の事業費で申請できるのが特徴だ。
ほかに林業機械のレンタルを対象にした補助制度を独自に設けている自治体もあるため、各都道府県の森林・林業関係部局に問い合わせてみると良いだろう。
事業の多角化に向けて、
林業機械レンタルを活用
【事例紹介:合同会社TREANT(山梨県)】

新規参入した事業体にとって、高性能林業機械の導入は多額の初期投資と安定した稼働時間の確保が大きなハードルになる。そんな中、地元のレンタル会社を活用して、新たに素材生産に乗り出した事業体もある。
山梨県北杜市で2022年に創業した合同会社TREANT(トレント)は、これまでメインだった特殊伐採事業に加えて、新たに数ヘクタール規模の素材生産事業に乗り出した。山梨県内に12の営業拠点を展開する甲陽建機リース(甲府市)から、0.45クラスのフェラーバンチャや0.25クラスのグラップル、4トン積載のフォワーダ、4トン積載のスタンション付きダンプをレンタル。アカマツやカラマツの伐採と搬出を手掛けている。
代表の高田雄吾さんは「特伐現場で使う0.1クラスのグラップル購入などで創業当初から甲陽建機リースさんとお付き合いがありました。初期投資や年間稼働率の関係で大型機械や中型トラックの自社購入がまだ難しい中、月ぎめを含めた短期から中期のレンタルは事業の多角化に向けてとても助かっています。油圧ホースや配管のトラブルなどアフターサービスでも頼りにしています」と話す。
機械を遊ばせることなく、必要なときに必要なものを借りるーー。近年の鋼材価格の値上がりなどで重機の価格も上昇傾向の中、最新機械を無駄なく使えるレンタルやリースのサービスは、今後も意欲ある事業体にとって大きな味方になりそうだ。
サービスの紹介
レンタルのニッケン

全国に営業所を展開し、林業機械のレンタルやリースを約20年前から手掛ける。素材生産から木材運搬、造林、特殊伐採まで林業専用機の保有台数は業界有数。自社の林業研修センターで、路網作設から伐倒、集材まで社員自ら行い、施業提案や独自機械の開発、メンテナンスを含めた技術習得に注力している。利用者の修理負担を最大10%に抑える「動産損害セーフティサービス」は、特に高額機械の利用時に心強い仕組みだ。
【おすすめポイント】
自社開発した最大作業半径12.1メートルの全油圧固定式ロングリーチグラップルや木材運搬用のグラップル付き大型トラックまで、約500台の保有機械で現場のあらゆるニーズに応える。レンタルだけでなく、リースから新品・中古機械の販売、買取、開発、修理まで一貫して手掛けている。「稼働率が高い機械は購入やリース、稼働率が低い機械はレンタルすることで全体のコスト低減が期待できます。林業機械に関することは何でもご相談ください!」
取材・文:渕上健太
取材協力:林野庁、レンタルのニッケン、有限会社天女山
FOREST JOURNAL vol.26(2025年冬号)より転載















