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改正JISに適合した防護ズボンに切り替えを! いち早く対応を開始したトーヨの想い

チェンソー使用時の安全性を高めるための防護ズボンのJIS規格が改正され、この1月から運用が始まっているが、実はまだそれを知らない人も多いという。防護ズボンのパイオニアがJISについて語る。

最新JIS規格の防護性能で
チェンソー使用の安全を守る

林業従事者がチェンソーを使用する際は、厚生労働省が策定したガイドラインに沿った安全対策を講じることが定められている。道具においては、チェンソーそれ自体の選定から、衣服、手袋、保護帽などに一定の基準が設けられているのだが、現在、この基準をめぐってやや困った事態が生じている。防護ズボンのJIS規格の改正である。


高強力ポリエチレンを編み込んだ層状の防護材で、チェンソーの切り裂きから体を守る。

2015年に策定、2020年に改正された「チェーンソーによる伐木等作業の安全に関するガイドライン」では、チェンソーを使用する労働者は下肢の切創防止のために、日本産業規格(JIS)T8125-2に適合する防護ズボンの着用が義務付けられている。回転するチェンソーの歯が当たっても切り裂けない防護ズボンは、安全な作業を行う上で欠かせない。2018年に国際規格のISOが新たな安全基準を定めたことに合わせ、JISでも2022年に規格を改正、移行準備期間を経た2024年の1月から、早期に改正後のJISに適合した防護ズボンに切り替えるように呼びかけられていた。

しかし、「実際には、チェンソーの使用者が改正前のJISに適合した防護ズボンを依然着用しているケースがあり、販売店においても周知が徹底されているとは言えない状況です。チェンソーの労働災害を減らすために、そしてメーカーとしての安全責任を果たすために、広く発信していかなくてはならないと危機感を持っています」。


防護材の研究は20年にも及び、防護性能、生産効率、コストの最適なバランスを導く。何冊もの研究ファイルが積み重ねた月日を物語る。

そう語るのは、株式会社トーヨの代表取締役、渡邊学さん。同社は山林用防護服や耐熱防護服などを企画・開発・製造する企業で、独自にチェンソー切断抵抗性試験装置を開発し、2002年に当時のISOに準拠した防護ズボンを日本で初めて作った先駆者だ。最新規格のJISでは、防護範囲がより広くなり、防護性能も厳しくなったが、すでに適合した防護ズボンと防護チャップスを2023年にリリース済み。ズボンの軽さや通気性の良さ、自社デザインの3D設計による動きやすさ、ニーズに合わせたラインナップに定評があり、女性用のモデルも展開している。


株式会社トーヨ 代表取締役 渡邊学さん。企画、開発、デザイン、製造を一手に担う防護服メーカーは非常に稀で、一貫生産の強みを生かした高い性能と豊富なラインナップが特徴だ。近年、女性の林業従事者が増えたことから女性用モデルも展開している。


女性用・暑熱対策チェンソー防護ズボン

 

 

ガイドラインによれば、労働災害の中でチェンソーに起因するものが約1割を占めている。事故をゼロにすることは難しいが、最後のリスクヘッジとして防護ズボンが果たす役割は大きい。最新JIS規格の安全性能で企業と伐木作業者の安全・安心を守っていければと、渡邊さんは強く願っている。


2024年に開発したばかりの、最新JIS規格に対応したチェンソー切断抵抗試験装置。このような装置を自社で構えることは通常なく、オリジナルの防護材を開発するトーヨならでは。

問い合わせ

株式会社トーヨ
TEL:0898-72-5444


文:本多祐介
写真:熊博之

FOREST JOURNAL vol.19(2024年春号)より転載

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