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【2024年最新】データで見る林業の労働災害の現状

胸が痛む話題だ。林業従事者にとっては耳にタコができる話題であるが、それでも見てほしい。林業は森林環境を守り、資源を生み循環させるなど、やりがいがある反面、危険も伴う仕事だから。知ることで、安全を再度意識していこう。

全産業中で最も事故の多い林業
毎日同じメンバーでも意義のある安全確認を

災害の発生度合を表す「千人率」で他産業と比べると、全産業の中で最も高い割合となる林業(図1)。また、事業体の規模別(図2)で見ると、少ない人数で稼働しているところでの事故発生が多くなっている。

少人数での作業で無理をしていないか、いつもいるメンバーでも安全確認をしながら作業ができているか、改めて振り返りたい。

労働災害の発生率[図1]


出典:厚生労働省/労働者死傷病報告および総務省労働力調査

事業体の規模別死傷者数[図2]


出典:厚生労働省/労働者死傷病報告



どんな作業での事故が
多いのだろう

林業・木材製造業労働災害防止協会の統計によると、2018年〜2022年の5年間で発生した林業における死亡災害は158件。伐木や造材作業中の事故が62%と半数以上に上り、その中でも圧倒的に多かったのはチェンソーによる自己伐倒時のものだ。木が予期せぬ方向に倒れてしまうことから発生するかかり木の処理時に最も多い。

また、機械による伐倒・集材時にも事故が多く発生しており、隣り合わせた作業車との接触や重機転倒などが起きているので、機械に乗車しているから安心という過信には気をつけたい。

林業における労働災害発生の推移

しっかりと減少傾向
目指すはゼロ

林業での労働災害の発生件数は2000年から2022年にかけて、半数以上も減少している。これはひとえに現場作業者・関係者の安全意識の向上や努力によるもの。

最も危険といわれる伐倒時などで機械の導入も進んでいるが、機械周りの事故も決してゼロではない。絶え間ない意識と行動がなければ、労働災害はゼロにならないのだ。

いつもの風景に
突如発生するのが、事故。

2023年に発生した事故にはこんな状況があった。きっと、いつも通り作業をしていたと思われるが、起きてしまうのが事故。毎日毎時行う安全確認をしっかりと意味のあるものにしていきたい。

さらに詳細な事故発生時の状況は林業・木材製造業労働災害防止協会のホームページを確認してほしい。


出典:林業・木材製造業労働災害防止協会




文/薗部暁子

FOREST JOURNAL vol.19(2024年春号)より転載

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