さあ“MOCTION”はじめよう! 全国の森林と都市の未来をつなぐ新たな試み
2021/01/06
「MOCTION(モクション)」という活動をご存知だろうか。地球温暖化対策や都市のストレス緩和、安全安心なくらしに欠かせぬ森林の好循環など、国産木材の活用やオフィスの木質化がもたらす価値に着目し、具現化させる試みだ。
12月3日誕生の「MOCTION」
国産木材の魅力と活用方法を発信
全国各地に伐りどきを迎えた人工林が増える一方で、日本で使われる木材の約6割が外国産といわれる昨今。水源のかん養・災害の防止・CO2の吸収・生態系の維持など、すこやかな森林がもたらす恩恵を視野に入れると、国産木材の活用で日本の森林に好循環を取り戻すことは喫緊の課題といえるだろう。
12月3日、新宿パークタワーの5階にオープンした「国産木材の魅力発信拠点MOCTION」はこうした課題を解決する一手として全国各地と東京都が連携し、運営される施設だ。
館長兼プロジェクトリーダーを務めるのは、国産材を積極的に取り入れた建築物を手がける建築家の隈研吾さん。
隈研吾さん
設計デザインを担当した「HAGI STUDIO」の宮崎晃吉さんは、木材生産・消費市場の課題を踏まえ、「カーボンストレージ×リユーザビリティ×アウェアネス」という3つを軸に、国産木材を使ったオフィスのプロダクトを考えたという。
宮崎晃吉さん
多摩産材や全国のプロダクト展示
無料のコワーキングスペースも
館内は大きくわけて2つのゾーンで構成されている。ひとつは、オフィスの木質化を後押しする「常設展示スペース」だ。東京都の多摩地域で生育し、生産・認証された多摩産材を活かしたコンセプト家具や内装で彩られたこの空間は、無料のコワーキングスペースとして開放されており、木の手触りやあたたかみを感じながらリモートワークや商談を進めることができる。
もうひとつの核となるのが、さまざまな地域の国産木材を紹介し、都市部と地方の生産現場を結ぶ「企画展示ブース」だ。定期的に開催される企画展では、全国各地の自治体や企業が進める国産木材活用の取り組みに触れられるほか、国産木材を使った木質化に役立つセミナーや講演会なども予定されている。
企画展示ブース
社会情勢の変化によって暮らし方や働き方を見直す人が増えるのに伴い、木材ニーズも変化の兆しを見せる今。使い手とつくり手、担い手をつなぐMOCTIONの動きは必見だ。MOCTIONでは現在、セミナーや企画展などの情報が得られるLINEの登録受付も行っている。最新情報をいち早くキャッチしたい方は是非、アクセスしてみよう。
DATA
住所:東京都新宿区西新宿3-7-1 新宿パークタワー5F
開館時間:10:30〜18:30
休館:水曜(祝日は営業、夏期・年末年始)
TEL 03-6258-0082
※セミナーや企画展などの情報が得られるLINE登録を受付中だ。
問い合わせ
産業労働局農林水産部森林課
TEL:03-5320-4855
公益財団法人 東京都農林水産振興財団 森の事業課
TEL:042-528-0641
取材・文:木下真弓(シマノタネ)