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エコ・地域づくり

林野庁も積極サポート! 木質バイオマスのエネルギー利用の推進

木材を燃料として活用することを、行政はどう見ているのか? 本当に日本の森林と地域社会を豊かにするのだろうか。林野庁を訪れ、ご担当のお2人に聞いた。

FIT制度が可能にした
間伐材の収益化

 
森林は国土の保全、水源の涵養(かんよう)、地球温暖化の防止、生物多様性の保全、木材等の林産物供給など、多面的な機能を有しています。それは、国民生活に様々な恩恵をもたらす「緑の社会資本」ともいうべきものです。
 
ただし、その多面的な機能を発揮させるためには、植栽、下刈り、間伐等によって健全な森林を育てる「森林整備」が不可欠です。木質バイオマスの適正なエネルギー利用は、この森林整備にも役立つものと私たちは評価しています。
 
2012年にFIT制度(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)が始まってから、木質バイオマス発電所は安定した売電収入を得ることができるようになりました。木を燃料とする発電事業ですが、燃料材となる木材には一定の制約が設けられています。
 
主に国産材を利用する中小規模の木質バイオマス発電は、基本的には間伐材や、適切に維持管理された森林からの木材を燃料としていることから、これによって森林が荒らされるということはありません。むしろ、これまで山に放置されていた林地残材に燃料材としての価値が生まれ、森林を整備することにもつながっているのです。新たな木材需要が創出されたことで、林業自体に良い影響が現れているといえるでしょう。


20年後を見据えて
熱利用を促進

 
ただし、FIT制度は、再エネ電力を「期間限定」で「固定価格」によって買い取るという制度です。バイオマス発電のFIT期間は20年間ですが、その期間が終わったら、それまでのような高値で売電することはできなくなってしまいます。そのため、FIT期間が終わった後に木質バイオマスエネルギー事業が自立できるように推進していく必要があります。
 
そこで私たちは木材から電気を作るより熱を作る方がエネルギー変換効率が高いという特性に注目し、熱利用も組み込んだ、小規模な木質バイオマスエネルギー事業を推進していきたいと考えています。そのような取組を経済産業省とともに「地域内エコシステム」として整理しました。現在、モデルとなる取り組みをサポートするための補助事業「地域内エコシステム構築事業」を展開しています。


地元に利益を還元する
地域内エコシステム

 
地域内エコシステムにおいては、地域の森林資源を地域内で持続的に活用していける仕組みであることが重要です。システムの持続性・永続性が確保されるよう、市町村が中心となって、地域産業・地域住民が参画する協議会を設置し、地域のすべての関係者の協力体制を構築することが求められます。また、地域への利益を最大限に確保し、その利益を公平に配分することにより、地域住民や山林所有者など森林関係者にも確実に利益還元されるようにしていかなければなりません。
 
エネルギー利用のため、これまでは石油やガソリンなどの化石燃料を地域外から買い入れてきたため、お金は、地域外に出て行ってしまう一方でした。これを地元の間伐材由来の燃料で代替することができれば、お金を地域で回していくことにもなってきます。地域内エコシステムは、林業振興はもとより、中山間地域の活性化にも結びつくのです。
 
日本の森林資源(人工林)の多くは、いま主伐期を迎えています。豊富な木材を有効活用するとともに、循環利用に向けて再整備していくことが課題ともなっています。木質バイオマスのエネルギー利用は、その課題を解決するための契機ともなり得るものなのです。

地域内エコシステムのイメージ(一例)

地域の関係者の連携のもと、小規模な熱利用または熱電併給により、森林資源を地域内で持続的に活用する仕組み。

START! 域内山林



住民が地域内の森林から生産した薪等を自ら施設に搬入



※災害時や遠隔地における熱電供給を可能とする車載システム

大規模な送配電線を利用せず
自家発電方式で集落に電力供給



蒸気・温水供給
既存の重油焚きボイラーを薪等を燃料とするボイラーに置換


電力供給
小型発電機による発電(10kW未満:約10世帯に電力を供給)

GOAL! 集落(数十戸程度)



集合住宅、診療所、公民館、宿泊施設へ

出典:農林水産省 林野庁資料により編集部にて作成

 

話してくれた人

林野庁 林政部 木材利用課 課長補佐(木質バイオマス推進班) 飯田俊平氏
林野庁 林政部 木材利用課 木質バイオマス専門官 高木望氏


FOREST JOURNAL vol.2(2019-20年冬号)より転載

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